土曜は往診などで結局仕事終わりが3時ほどとなり、その後5時から1時間という短いセミナーでしたが、名古屋で耳鼻科関連、とくにアレルギー鼻炎の治療の総論各論のセミナーを受講してきました。
戦後の植林政策により、スギの花粉がこれまでたくさん飛散されてきた歴史と、京都府立大の先生方が始めた研究活動がいまの花粉予報の原点となったことから、現在の治療のアレコレといった内容でした。
杉花粉は、前年の夏が雨が少なくて暖かい(暑い)場合、翌年の花粉飛散量が多いというリズムがあって、飛散が多い年の次の年は、花粉生産量が減るらしく、大体1年おきに花粉量が多い少ないという交互になっていたそうです。が、近年ではそういうリズムがほぼ消失して、花粉の予想がしづらくなってきたそうです。おそらく杉植林が減り、むしろ間伐するようになったりしたせいでしょう。1年おきの多寡現象は見られないそうです。さりとて花粉の量自体は激減しているかというとそうでもない、ということで、となると、もしかして、温暖化によって、春だけでなく、ダラダラと1年通じて飛散する、ということもあろうか、、。個人的にはやはり春が多い印象がありますが、年々免疫の退化なのか飛散量が昔ほどでもないからなのか、さほどきつくはなくなってる印象はあります。
治療としては、耳鼻科専門施設であれば、レーザー焼灼によりワンシーズン有効、そしてまた別の手術としては末梢神経の切除術というのがあり、それは5年ほど効果持続するそうです。
それからアレルゲン舌下投与による減感作治療というのがあります。これは治療するのには認定施設である必要があり、また、治療期間が3年間という長さがあることと、完治率がすごく良いわけでもない、ということから、当院では認定施設となる手続きをとっておりません。が、そういう治療もあります。減感作療法は、治療中、症状がでてしまう、誘発する治療ですから、そこもまた悩ましく、相当の気合とマメさが必要です。
そして薬物治療ですが、近年では抗ヒスタミン剤がたくさん選択できるようになってきています。これまででは一番効果が強いと感じられるのが、オロパタジンかセチリジンといったタイプですが、現在ではルパタジンが一番効果が良いというデータがでており、例えば他の抗ヒスタミン剤で無効・難治性の患者さんにも6割有効となるというデータが示されました。
当院では難治性アトピーの患者さんが一人だけあって、その患者さんに使っている薬をそちらに変更してみようかと思った次第です。鼻炎だけでなくアレルギー疾患全体に効くわけですから。
今年はこういった研究会がコロナの影響で激減しました。例年なら大体平均すると週一程度で研究会やセミナーに参加してきた私ですが、今年は平均すると月一程度となりました。来年もしばらくは同様の流れとなるのかどうなのか。オリンピックは強引にやるらしいけども、、、。オリンピックに関連して、10月の体育の日の祝日を勝手に7月に移動することはホント迷惑だし国民の同意も得てないし、勝手なことをするなと言いたいです。今年はオリンピック中止になったのに無駄に7月に祝日が1つ増えて、また来年も性懲りもなく今年同様にするらしいですが、オリンピックだから10月の祝日を7月にする必要全くないと思います。