先週末は金曜夜は糖尿病腎症に有効なSGLT2阻害剤の話、土曜夕方は高血圧と心不全の両方に効くARNIという薬剤の話、いずれも名古屋市内に出向いての研究会に参加してきました。
先週は水曜午後にも感染対策のウェブセミナーを受けたりと、1週間に3回も立て続けに勉強会だったということもあり、ランニングは水曜と日曜の2回しかできませんでした。11月までが忙しかった疲れがあるのかとも思いますが、12月は例年だと少し一服する(インフルエンザが流行しなければの話ですが)予定なので、少しは楽になるのかと思いつつ、まだつなぎの週だったのでこんなものかなと。
土曜の会は東郷のバク診療所の麦先生が座長をされるという比較的ローカルな会ということで、ハイブリッド形式でなく実地のみの研究会だったため、コロナ下にあっては比較的参加人数も多め(といっても20人程度ですが)でした。
内容的にはこういう比較的新しい、しかも将来的にかなり利尿剤系降圧剤兼心不全薬としては主役になるだろうARNIの、すでに何度も講演会には参加しているので、復習と、さらに少しでも新しい知識を積み重ねるというものでしたが、そのなかでも今回講演された藤田医大の教授先生に共感というのか親近感をもったポイントがありました。
臨床的イナーシャ、という言葉があって、それは、患者さんも医者も血圧や糖尿病など生活習慣病に対して目標とする数値をやや惰性でないがしろにしてしまう、ということを意味するのですが、学会の偉い先生方はそういう姿勢を是正しなければならない、と説諭されるのですが、それはともすると、医者と患者の信頼関係に悪影響となり、下手すると患者さんが通院治療しなくなってしまうという最悪の結果になりかねない、というのです。通院するのも服薬するのもお金を払うのも患者自身ですから、医者があまり厳しいことを言いすぎたり薬を強化しすぎたりして、患者さんが嫌気してとうとう全然治療しなくなってしまうことになってしまうと、元も子もないのだ、ということです。
それは生活習慣病の重大合併症を予防する医療を日々になっている町医者からすると本当にうなずける話です。大学の教授先生がそういう理解をしてくれているということは大変心強いことだと思いました。
私も医療至上主義な面が多分にありますので、過去にはそういう厳しさでもって信頼関係を損ねてしまった苦い経験も少なからずしております。きっちりやるということは保険診療のルールでもありますので、もちろん正しいことではあるんだけども、そうはいっても、というジレンマがあるのです。
生活習慣病をちゃんと治療するということは、さまざまな合併症や抵抗力の低下などで早死にしてしまうことの予防になり、健康で長生きのための根本です。それはそれで間違いないのです。その上で、いかに上手にやるか、ということなんですよね、、。背景に愛が必要なのはもちろんです。心底思いやっての言葉でなければ単なる命令指示になってしまいますからね、、。
まあそんなことをいろいろ思いながら、講演を聴いていたのですが、、
参加されている先生方はみな開業医でしょう。そして平均年齢がもう余裕で70歳代と見受けられました。
いくら医者としては熟練のベテランであっても、ちょっとなあ、と思う人が何人もありました、、。それはマナーについてです。つまり、電話の音、メールの音。
マナーモードという言葉を知らないのか?というほどに、着信音を長々と放置してなかなか反応できない人、やたらメールの音がポンポンと鳴っているのに放置してる人。その上で寝てるし。
患者さんでも、診察中に電話がかかってきて、それに出て話し始める人もたまにいますが、それはもう勘弁してもらいたいです。
飲食店でもいまは普通に隣の席の人が普通に電話してる場面が増えました。自分の家と公衆の場と区別できないんでしょうね。あれはやっぱりマナー違反でしょう。
だいたい40歳以上の中高年がそういうことに無頓着です。もういちいち注意するのも嫌になってしませんけど、だからといって許容してるわけではない、ってことを本当に理解してもらいたいと思います。一億総認知症か、とならないようにしたいものです。
医者もいつまで現役で仕事するべきなんだろうか、、。開業医などは定年がありませんからね、、相撲の横綱が引退を自分で決めるのと似ている気がします。認知機能が衰えてくると、そういう判断ができなくなります。
自分も将来どうなるんだろうかと、いまからちょっと不安になっています。ともかく、恥ずかしくないようにはしたいものです。