院長BLOG

2022.10.29更新

昨夜はまた講演会に参加してきました。

ひさびさの名古屋に出て行っての、です。

内容もひさびさのARNI製剤つまり、高血圧と心不全の合併症例に処方できる、腎臓に負担をかけない利尿剤入りの降圧剤の話です。

この製剤は一社メーカーでのみ製造しているので、いわばいまのところ唯一無二の薬です。

血管拡張剤であるARB製剤と利尿剤を併用する治療薬はこれまでにも各社でているのですが、今回の、といってももうすでに日本での発売2年になり、海外では5年の使用経験がある薬ですが、このARNI製剤は、配合されている利尿剤としては腎機能に悪影響を及ぼさないことが大きな利点です。

それで、当院でも心不全合併高血圧もしくは心不全の患者さん、多くは高齢者ですが、これまでに積極的に処方してきましたが、どうも反応しやすい患者さんとそうでないのとが分かれる印象があり、今回の講演会ではその理由と使い分けについてのヒントが得られないかということで参加してきました。

あらためて推奨される患者さん像とは、うっ血性心不全傾向で、腎機能が低下気味で、ARBやカルシウム拮抗剤での降圧効果がいまいちで、糖尿病気味もしくはすでに糖尿病を併発している、塩分摂取の多い、溢水傾向にある高血圧患者さん、といったところ、となりました。

具体的にはそういった臨床症状所見以外にも、ナトリウム利尿ペプチドの血中濃度や検査値でも区別ができると良いかと思いますが、まだまだこれからもこの薬剤については勉強が必要に思います。ちなみにこの薬剤、もう長期処方ができるようになりましたので、これからは忙しい現役世代の患者さんで適応のある場合に処方していこうかと考えています。

新しい薬剤についてもつねに少しずつアップデートしていくことは、日進月歩の勢いの早い現代においては気を抜けない責務です。

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.28更新

昨晩は仕事終わり19時40分からの、藤田医大小児科ウェブ講演会に参加しました。

今回興味をもったのは症例報告の2例で、

1つ目は、歩容異常で見つかる疾患の鑑別、というもので、生下時から2、3歳までの経過で何か発達障害と歩行異常がある、そういう症例報告でした。結局珍しい染色体異常と判明したのですが、日常誰でも「おや?」と思うような歩行・歩容異常所見を契機にして診断をつける、ということです。染色体異常という帰結だった今回の症例では根治的な治療は望めないのですが、それでも病気を把握することにより社会的なメリットを享受できることもあるし、間違った養育をせずにすむことにつながります。

 

2つ目は、低尿酸血症にともなう運動後急性腎不全の症例報告でした。高尿酸血症は痛風になるなど良く知られた疾患ですが、低尿酸血症というのが何か病気の原因になるのか、ということで興味を持ちました。今回の症例の低尿酸血症は家族性つまり遺伝性のもので、もともと低い値の体質の場合、無酸素運動つまり筋トレや瞬発力を要するような運動ですね、そういうのをきっかけにしたり、あとはNSAID解熱鎮痛剤の使用を契機に、急激に尿酸の上昇を来たして、急性腎不全になってしまう、という話でした。尿酸が急激に上昇するといっても、もともと低尿酸体質の人の場合、せいぜい正常値の範囲内での変化なのですが、それでも腎不全になってしまうというのです。急激な変化というのがどうもついていけないようです。とはいえ腎不全も可逆的なものであって、大したことにはならなかったのですが、何か急に重篤なデータになってしまう人というのはたまにあって、そういうケースはもともとの体質が変化に弱いタイプなのだろうか、、と考えさせられました。この疾患の場合、激しい運動や脱水に注意して毎日を過ごせば大過なく寿命を全うできるのでしょうが、そうでなければ早逝してしまう危険性もあるわけです。

 

町医者としては、そういうちょっした所見や症状を見逃さずに、専門施設へ紹介する、ということが大変重要な責任としてあると思います。そのためにはいろいろな疾患があるのだということをあらためて認識しないといけないのと、少しずつでも勉強や経験を積んで、適切なスクリーニングを行えるようにしておかねばなりません。

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.27更新

このところ、ワクチンの問い合わせなどで電話がつながりにくくなっているので、

これをきっかけとして、電話自動応答サービスを開始しました。

それにより、ある程度の振り分けが可能となるかと思います。まだいろいろ物足りない面もあるかもしれませんが、とりあえず始めてみます。

宜しくお願いいたします。

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.26更新

コロナワクチンの接種については個人個人で任意自由となっているため、もともと一度も接種していない人もあれば、4回接種した人までいろいろです。

10月からはオミクロン株含有コロナワクチン(ファイザー)の提供一択となり、成人(12歳以上)については、このワクチンを未接種で、過去2回以上コロナワクチン接種済みで、最後の接種から3か月経過していれば、接種可能となります。

このところルールがころころ変わるので、現状をまとめるとそのようになります。オミクロン株ワクチンを打っていないが過去4回接種したという人では、最後の接種から3か月経過していれば5回目となるこの新しいワクチン接種可となります。

いままで1回以下しか接種していない人については保健センターなどにお問い合わせください。

現在コロナウイルス感染症の流行は比較的落ち着いていることから、ワクチン接種を希望する人はさほど多くないため、当院では必要最小限のワクチン数確保しかしておりません。もしお急ぎの方は、他施設や保健センターにお問い合わせください。

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.24更新

静岡の三島に初めて行ってきました。

三島は東海道の宿場町の歴史と、富士山からの清流豊富な場所で、伊豆一位の三嶋大社があります。

下の写真は早朝の富士山で、個人的には初めて見る笠雲をかぶった富士山。

手前には広大な範囲で東レの工場群が立ち並んでいます。日大のキャンパスもあるからでしょうか、土曜の夜は駅付近の繁華街?の多数ある飲食店にはそれぞれ若者たちがたくさんいました。

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三島駅から徒歩1キロちょっとか、といった場所にある三嶋大社に行きました。

古くからある広い敷地の公園といった風情で、長年地域の人々から愛されている雰囲気を感じます。ここの主祭神について解説する看板などが、なぜか全く見当たらず、ネットで調べたところ、大山祇命(おおやまつみのみこと)とされているようです。これは山の神様であり、天照大神のお兄さんでもあるそうです。つまり日本総鎮守レベルの神様ということですから、どうりで、、、。

広い敷地内にはいろいろな建造物があり、しかも鹿の動物園もあったりして、こちらでは鹿は神の使い扱いのようです。奈良東大寺のようなものか。

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この土日は本当に気候が良くて、帰路立ち寄った浜名湖SAではいわゆる小春日和というのか、ベンチのある芝生広場でしばしのんびりしました。ここのサービスエリアはいつ来ても人気で人が多いですが、この広場はすこし奥まったところにあるので空いています。こちらの岸から遊覧船にも乗れるようです。

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日曜は仕事や雑用など、午後からは他にもやることいろいろやって、なんとかひさびさに夜の愛知池のランニングもしました。なにせ12月には大会にでるから、21kmちゃんと時間内に完走できるようにしないと。大会前には3周走れるかどうか試したいですが、2周どまりでイヤになってしまうかも。

愛知池といえば、昨年あんなに頻回に会えたホタルでしたが今年は6月に少し見ただけで、この日もみられずに終わりました。さすがに今年はもう終わったか。そしてキンモクセイも全く匂わなくなってしまいました。ただ、キンモクセイはもう一度軽く芳香を漂わせるときがあるからその時が来るのを期待します。

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.22更新

いま読んでいる本は、心療内科医師の鈴木裕介先生の著書、我慢して生きるほど人生は長くない、です。

現代の病んだ先進国社会ではかなり当てはまる本だと思います。実際かなり売れている本のようです。

かつてモハメドアリが講演で演説していた動画があって、「人生65歳までがとりあえず現役として考えた時、寝ているとき、ぼーっとしているとき、無駄に飲食などしているときを除くと、いま実際30歳として、創造的なことをする時間は実質15年程度しかない。人生は驚くほど短いんだ」と述べています。

いわゆる社会で生きる人間として思うに、人生というのは実際には短いものだ、ということはこの本の題名にもあるとおりです。

傍若無人さや、わがままを推奨するなどということでは決してないのですが、自己評価が低く、くそまじめで損な役回りばかりを受けてしまう人にとっては、福音となるのではないかと思う本です。

まだ途中経過なので、また内容次第では追記します。

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.22更新

脳科学者を自称する研究者は多々あるようですが、今回読んだ本の、西剛志さんという脳科学者による、80歳でも脳が老化しない人がやっていること、では、非常にたくさんのエビデンスを分かりやすく解説されていて、大変参考になりました。

内容のほぼすべてが珠玉といっても良いものでしたが、なかでも興味深いと思ったいくつかを紹介します。

人の名前を覚える力のピーク 22歳

顔をおぼえる力のピーク 32歳

集中力のピーク 43歳

情報処理能力のピーク 18歳

相手の気持ちを読む力のピーク 48歳

語彙力のピーク 67歳

 

目を閉じた状態で片足立ちが維持できる時間と脳年齢は相関する。

脳年齢30代だと1分

脳年齢50代だと23秒

脳年齢70代だと4~5秒

 

脳年齢の維持のための運動をするなら、バスケットボールのドリブルや平均台などのバランスをとる運動が効果が高い

 

手帳を活用することは老人脳の予防に良い。

毎朝やることを書く

1日の終わりに今日成功したこと、良かったことを5つ書く

目標を具体的に描く

自分への楽しみの予定を書き込む

 

この本にはいろいろ他にも面白いことが記述されています。待合室に置いておきますのでご自由にご覧ください。

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.20更新

このところ水曜の午後がどんどん雑用で埋まっていってしまいます。

外来診療が終わった12時からは処置と手術が2件あり、それを済ませたのち、私は梅森保育園で園医を担当しているのですが、定例の全園児診察で90名ほど、というのがあって、その後は電話のシステムの向上のため、業者さんと面談して、その後は必要な買い物をホームセンターに行って、その後は麻薬取扱い免許更新のための診断書をもらいに先輩医師のところへ行って、、として帰宅したらもう5時半とかですわ。

愛知池を走る元気なく、その前の日もこの日も連続して近所のジョギングやウォーキングで終わりました。

そろそろ愛知池も頻度を増やさねばと。12月には大会参加しますからね。3周もするから慣れておかないといけません。キンモクセイがあちこちで香っていますがすぐに時期が終わってしまいます。貴重な季節ですわ。

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.17更新

先週末土曜日は午後から名古屋臨床検査センター主催の講演会に参加してきました。

金沢大学の先生によるもので、金沢大学では以前から血液検査でがんの有無を判定する研究をされていたようですが、今回そういう内容について個人的には初めて講演を聴きました。

がんが出すいろいろな遺伝子や、がんの発生に関与する遺伝子発現というのはいまや何千種類もあるのですね、、。

それらを一気にたとえば千種類や2千種類もの遺伝子情報をパッケージのようにして、末梢血液からPCR検査ですべて判定し、その多くの遺伝子発現のパターンによって、その患者さんの体のどこかに癌があるのかないのかを判定する、という、簡単にいうとそういうものです。

実際興味深い例があって、人間ドックでCA19-9という腫瘍マーカーの数値が軽度上昇した患者さんが、この検査を(高額で自費ですが)やったと。すると、「どこかに癌がある」という判定だったため、PET-CTをやったり、内視鏡検査をしたりしたそうですが、結局大腸内視鏡で大腸ポリープがあり、それを摘除したところポリープの一部に早期癌があったそうです。その後腫瘍マーカーは正常化し、そして前述した遺伝子の血液検査(たくさんの遺伝子情報をいっぺんに調べる手法の1つマイクロアレイというやりかた)で再検したところ、「がんはない」という判定に変わったそうです。

結局は各々の部位確定診断のための内視鏡や画像検査をしなければならないのはあるのですが、それでも癌があるかないか、ということについてはかなり精度が高いんだと思いました。

ただ、大腸がんや胃がんや肺がんは、画像検査や内視鏡検査などである程度スクリーニングが確立していますのでとりあえずは良いとして、膵がんはどうか、という話に展開するのです。膵がんは見つかったらすでに治らないステージにあることがほとんどで、実は私が大学院時代に、数少ない英語論文で発表したもので、膵がん根治術後、長期生存いわゆる完治を成し遂げた症例の十数例の検討をしたものがあるのですが、それはほとんどが1cm未満の小さい癌だったとする内容のものがあります。ただ、長期生存できなかった症例でも腫瘍径1cm未満のものもあったので、必ずしも腫瘍径だけでもないのですが、それでも小さいうちに、初期のうちに摘除できればそれは完治につながる可能性が高いことは常識的に明らかです。

それで、この金沢大学の先生は、この難治性である膵がんに、これまでの研究の成果を反映して、とうとう、新しい検査システムを確立した、というのです。もちろんまだ保険適応ではないのですが、それ専用のクリニックも立ち上げたとのことで、要するに、血液検査によって、膵がんがあるのかないのか、を、画像検査で検索したときに非常に小さい初期の時点でもdetectし得る、ということなのです。

これ、実は肺がんについても同様のものがでてくればいいなあと思います。肺がんはまだ化学療法がある程度効果が望めるのと、CTをやれば早期発見は可能であることで、膵がんよりはまだ必要性の優先度が低いかもしれませんけれど。

ともあれ、こういった先生方の長年の研究の苦労がこういう臨床に反映されるということは素晴らしいことです。

 

さて、そういう勉強もして、土曜日は名古屋市内では三英傑祭りだったようですし天気も良く、さらに翌日日曜もまあ素晴らしい天気ではありましたが私はバイクの点検の予定があったのでツーリングをすることもなく、愛知池を歩いたり、癒しの猿投神社に行ったり。

もうキンモクセイがあちこちで芳香ですねえ。愛知池にもたくさんあるし、猿投神社にもちゃんとありました。匂いが存在と場所を教えてくれます。

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ちょうど七五三のお祝いをされてる家族もいたりして、縁起のイイこと。

猿投神社でもお守りやおみくじや絵馬や御朱印などいろいろ売ってるのですが、その中に、珍しいお守りが売られていたのです。

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いろいろありますね。

また今週もボチボチと頑張りましょう。

 

 

 

 

投稿者: 三本木クリニック

2022.10.15更新

昨夜愛知池を走っていたらあちこちからキンモクセイの匂いがありました。

3日前にはまだほとんど匂わなかったし、そのときは昼間だったのでキンモクセイロードの木を確認してもまだ花開いていない状態だったのですが、昨夜はとうとう咲き始めたようです。

夜で暗いとどこに木があるのか良く分からないですが、見えなくともその存在は分かるわけです。

考えてみれば、空気や臭いとかそういうものは、見えなくてもその存在を感じるのですね。

生命とか魂とかも同様でしょう。抽象的なものというのは基本的に見えないもの、概念的なものだったり、視覚ではとらえられない物質だったりするのですが、でもたしかにそういうものはある。むしろ目に見えないものの物事のほうが多いとすら言えるでしょう。

人の気持ちや感情、思い、といったものもその最たるものではないだろうか。

 

投稿者: 三本木クリニック

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