先週末土曜日は午後から名古屋臨床検査センター主催の講演会に参加してきました。
金沢大学の先生によるもので、金沢大学では以前から血液検査でがんの有無を判定する研究をされていたようですが、今回そういう内容について個人的には初めて講演を聴きました。
がんが出すいろいろな遺伝子や、がんの発生に関与する遺伝子発現というのはいまや何千種類もあるのですね、、。
それらを一気にたとえば千種類や2千種類もの遺伝子情報をパッケージのようにして、末梢血液からPCR検査ですべて判定し、その多くの遺伝子発現のパターンによって、その患者さんの体のどこかに癌があるのかないのかを判定する、という、簡単にいうとそういうものです。
実際興味深い例があって、人間ドックでCA19-9という腫瘍マーカーの数値が軽度上昇した患者さんが、この検査を(高額で自費ですが)やったと。すると、「どこかに癌がある」という判定だったため、PET-CTをやったり、内視鏡検査をしたりしたそうですが、結局大腸内視鏡で大腸ポリープがあり、それを摘除したところポリープの一部に早期癌があったそうです。その後腫瘍マーカーは正常化し、そして前述した遺伝子の血液検査(たくさんの遺伝子情報をいっぺんに調べる手法の1つマイクロアレイというやりかた)で再検したところ、「がんはない」という判定に変わったそうです。
結局は各々の部位確定診断のための内視鏡や画像検査をしなければならないのはあるのですが、それでも癌があるかないか、ということについてはかなり精度が高いんだと思いました。
ただ、大腸がんや胃がんや肺がんは、画像検査や内視鏡検査などである程度スクリーニングが確立していますのでとりあえずは良いとして、膵がんはどうか、という話に展開するのです。膵がんは見つかったらすでに治らないステージにあることがほとんどで、実は私が大学院時代に、数少ない英語論文で発表したもので、膵がん根治術後、長期生存いわゆる完治を成し遂げた症例の十数例の検討をしたものがあるのですが、それはほとんどが1cm未満の小さい癌だったとする内容のものがあります。ただ、長期生存できなかった症例でも腫瘍径1cm未満のものもあったので、必ずしも腫瘍径だけでもないのですが、それでも小さいうちに、初期のうちに摘除できればそれは完治につながる可能性が高いことは常識的に明らかです。
それで、この金沢大学の先生は、この難治性である膵がんに、これまでの研究の成果を反映して、とうとう、新しい検査システムを確立した、というのです。もちろんまだ保険適応ではないのですが、それ専用のクリニックも立ち上げたとのことで、要するに、血液検査によって、膵がんがあるのかないのか、を、画像検査で検索したときに非常に小さい初期の時点でもdetectし得る、ということなのです。
これ、実は肺がんについても同様のものがでてくればいいなあと思います。肺がんはまだ化学療法がある程度効果が望めるのと、CTをやれば早期発見は可能であることで、膵がんよりはまだ必要性の優先度が低いかもしれませんけれど。
ともあれ、こういった先生方の長年の研究の苦労がこういう臨床に反映されるということは素晴らしいことです。
さて、そういう勉強もして、土曜日は名古屋市内では三英傑祭りだったようですし天気も良く、さらに翌日日曜もまあ素晴らしい天気ではありましたが私はバイクの点検の予定があったのでツーリングをすることもなく、愛知池を歩いたり、癒しの猿投神社に行ったり。
もうキンモクセイがあちこちで芳香ですねえ。愛知池にもたくさんあるし、猿投神社にもちゃんとありました。匂いが存在と場所を教えてくれます。

ちょうど七五三のお祝いをされてる家族もいたりして、縁起のイイこと。
猿投神社でもお守りやおみくじや絵馬や御朱印などいろいろ売ってるのですが、その中に、珍しいお守りが売られていたのです。

いろいろありますね。
また今週もボチボチと頑張りましょう。