昨晩は愛知医科大学の先生方による講演会に参加してきました。
家族歴もあって、いまどき会社などでの健診もやっているであろうに、相当にひどい糖尿病に気づかず、放置する症例がいまだにあるんだということに驚かされました。
とある医大での症例報告ですが、身長150cm代で体重125kgという超肥満体型の30歳代の男性。両親とも糖尿病の持病もちという家族歴遺伝性がある、と。
初診時のHbA1cが13%、血糖値が800mg・dlというものすごさ。
当院でも零細企業の職員健診を依頼されることがあり、なかなかの生活習慣病を放置している比較的若い男性に遭遇することがありますが、それにしても上記の症例はひどすぎますね。
このように、たとえば糖尿病であれば、ひどい口渇と多飲多尿、ダイエットもしてないのに急激な体重減少、という異様な症状がでてきて初めて病識をもつ、初めて治療を受ける、という人がいるんです。
数値は相当にひどくても、自覚症状があまりないからといって、放置する症例はもっといっぱいいるんです。高血圧もそうですわね。
生活習慣病の行きつく先は心筋梗塞や脳卒中や腎不全であって、その後の人生に著しく支障を来たす後遺症を残す、もしくは絶命してしまう重篤な合併症なのですが、それまでにはなかなか自覚症状が出ないということがどうしてもネックになります。
予防医療の価値の理解のされづらさには本当に悩ましいです。医者があれこれいっても軽視される時代ですからね、、、。
ともあれ、我々実地臨床医は、地道にやっていくしかありません。