院長BLOG

2018.07.17更新

ここ数年は毎年参加している、内痔核治療法研究会に、今年も参加しました。

東京に宿泊して学会参加は実は久しぶりで、今回も御茶ノ水での開催でしたが、東京の街や人をいろいろと観察できました。

さて、今回の研究会の内容ですが、ジオン治療、またはジオン治療+切除のコンビ療法の5年10年という長期成績について、high volume centerの病院医院からの報告を主として検討する、という主題です。

大変上手にやられているところなどは、昔のスタンダード治療だった、ミリガンモルガン法つまり完全結紮切除術よりも、コンビ療法のほうが長期成績(つまり再発率の低さ)が優秀だった、という報告をされました。

ジオン治療単独ではやはり長期的には再発率がどうしても高くなり、全般的に平均すると、再発率は10%から35%と幅が広いものの、再発する症例の多くは、手術後5年以内に再発する、ということでした。

それにしても、施設によって、ここまで幅が広い再発率というのは、基本的な手技に問題があるのではないかと危ぶむほどです。おそらく通常通りやれば35%にまで高い再発率にはならないはずです。また、前述のとおり、外痔核は切除し、内痔核はジオン注射というコンビ治療をすれば、完全結紮切除のミリガンモルガン法よりも術後の合併症やもろもろのリスクや痛みが少なく、入院治療も不要となり、、そしてジオン単独よりも再発率が著明に少なくて済む、ということなので、現状そして将来的にもこれが標準治療となることでしょう。

今回得られた知見として大事なことは、主題の長期成績についてのデータを見ることができたこと(もちろんジオン治療では、長期的に大きな合併症や後遺症などの問題は基本的にゼロといって良いと思われる、各病院医院からの報告でした)、この研究会の筆頭代表とでもいうべき岩垂先生が行なっている術式の解説を聞くことができたことと、この4月から、コンビ治療が保険収載されたこと、の3点だと思いました。

保険収載の問題については、厳密な意味でのコンビ治療の明確なエビデンスとなる論文がないということで、現状はみなし点数、みなし解釈という、試験的な設定となっておりますが、今回岩垂先生他多くの治療をされている施設のコンビ治療成績を論文化しさえすれば、十分なエビデンスたるだろうと思いました。これはそのような、多数症例を持っている施設の義務だと考えています。

肛門疾患の手術術式は、教科書的にはそれなりに基本となる術式の型というものがありますが、デジタルではなくアナログというかアートな手技である面がある分野なので、どの施設でも各々微妙にやり方や考え方が違っており、どの施設も自分のところのやり方が一番である、という一家言を持っているというのが現状で、例えば同じことをしていても、各施設が別の名称を独自に提唱するという、なかなか標準化したりまとまったりする方向にはいかないムードがあります。しかしここはやはり成績優秀な施設のやり方に習うべき、というのが医者の良心というものだと思います。私も基本的に岩垂先生と同じやり方を期せずして行なっていたことが今回分かりましたが、そういう優秀な先生の手技を見習うことが、標準術式への道だろうと。

 

投稿者: 三本木クリニック

2018.07.11更新

「岳」という、山岳救助漫画があって、当院の待合室にも揃えているのですが、そのモデルとなった人がカヤックの遭難事故で亡くなられたというニュースがありました。まだお若い人だったようですが、なんとも言えません。

最近私は登山の遭難事故に関する本を立て続けに読み、昨今の遭難事故が多い状況を考えるに、やはり登山する人は勉強をしなければならないと感じています。

私は北アルプスなど登ったこともない、富士山も5合目まで車でいったことしかなく、何年か前に南アルプスのとある百名山の1つにチャレンジした際、9合目でギブアップしたほどの、気持ちだけ登山したい人間です。

大学生のころは旅行ついでにいろいろ有名な山に登りましたが、たいした数はありません。でも、誰しもがいけるような有名な山ですら、遭難したりするわけですから、最近はあまりにブームが行き過ぎているような気がします。

60歳代70歳代の高齢者が本当に元気で、猿投山なんかでも、おそらくその世代が一番メジャーな割合を占めているだろうと思いますし、全国の百名山や、中部地区では北から南アルプスにかけての難しい山でもその比率は同様だろうと思われます。

昨日もある患者さんが、めまいがするといって来院されましたが、もちろん高齢者で、前日に9時間の山歩きをしたということで、血圧を測ってみると、高血圧要治療状態なわけです。以前から血圧は高めだと自覚していたそうですが、、、登山客にはこういう高齢者が本当に多いのではないですか?

カヤックも登山も、遭難したり山で病気になったりして、死ぬために行く漂流者のような気持ちでチャレンジするのかと、第三者から見ると思えるほど、想像力というか、無謀というか、何とも言えないです。

遊歩道や登山道が大変整備されているし、観光登山として大変気軽に安心していける山が多いは多いのでしょうが、ちょっと脇道にそれたり、ちょっと天候が悪かったりしたら、もういっぺんに恐ろしい状況になるのが山だと思います。

直進バイクと右折対向車との右直事故や、連続殺人、過労死、バーベキューで飲酒しての海や川での溺死、すぐ裏に山があるところに家を建てて住み、大雨で土砂崩れとなること、などなど、想像力をふつうに働かせれば、「~だろう」ではなく「~かもしれない」という行動ができると思うのですが、それができる人はそもそもよほど事故に遭わないでしょうし、自分が殺人を何十人もしてしまったならいずれ発覚して死刑になることも当然想像できるでしょうに、どうしてその想像ができないのでしょうか。それが人間というものなのでしょうか。

そういう自分もいつなんどき判断ミスをしてしまわないとも限らないのですが、想像力と反対にあるものが無謀という行動のような気がしてならないのです。

無謀はつまり死を招く行為です。

心筋梗塞の既往があるのにタバコをやめられなければまた心筋梗塞になるのは当然なことです。それで私の患者さんは亡くなりました。もう高齢だしその人なりのポリシーもあるから、なかなか聞き入れられませんでしたが、発症したらそれはふつうは死に直結するのです。

それも本人の望む形ということなのでしょうが、それなら医療は何のためにあるのか。

散々、山岳遭難者を救助して、遭難したり死なないために人々を指導してきた人が、自分も無謀なチャレンジで死ぬ、という。人間とはこういうものなのか。

遭難しているかのようにふらふらと何となく生きているのでは、それはいずれ何らかの理由により死を招きます。それは消極的自殺とでも言えるのではないでしょうか。

現代の日本、いえ世界全体で、そういうニヒリズムが蔓延しているように思います。だから、普段何にも興味関心もなかった人がワールドカップに夢中になったりする、つまりなにかふらついている自分がたまたま流れていた面白いことにしがみついてしまうような、そんな気がします。登山の遭難も、社会での遭難も同じようなものかもしれないとさえ思えるのです。

投稿者: 三本木クリニック

2018.07.09更新

昨日は久しぶりのレーザー治療セミナーに参加しました。

当院でも使用している光治療器とその効果が紹介されるという形式では、いつもよくあるパターンで、もちろん最新の器械は光の発射間隔が短くて施術が早く済ませられるなどの進歩はありますが、基本的な作用と原理、パワーについては同じです。

それはニキビやシミ、しわたるみ、といった症状、毛穴の引締めなどの治療として効果がありますが、当院では、この光治療器を含め、他にもいろいろなデバイスでサービスしています。具体的には、高周波ラジオ波器械、針刺激治療、Qスイッチレーザー治療、そして2種類のフラッシュランプ光治療器械、です。

自費診療の治療内容については、今年6月の医療広告に関する法改正というものがあり、具体的な器械名を出すことができないこととなり、ホームページでの説明はなかなか難しい面がありますが、当院でのこれらの治療はあくまでもサービスとして位置付けています。したがって、これらの治療によって生計を立てるという目的には行なっておりません。そういう価格設定となっています。

昨日は久しぶりの雨上がりということで、まるで待ちかねたように名古屋駅周辺は人出でごった返し、交通量も大変多かった昼、午後の日曜日でした。西日本では大水害、洪水災害で大変な状態なので、晴ればれという気持ちにはなれない、なんとも言えない地味活動の日です。

 

投稿者: 三本木クリニック

2018.07.02更新

日曜日は午後から漢方のセミナーに参加しました。

これから夏バテ、夏風邪、胃腸障害、といった夏特有の体調不良をどう考え治療するか、という、漢方的な勉強会です。。

今回の講師は漢方の専門医ということですが、もともとは基礎医学(解剖学)の先生ということもあって、理論学問的なアプローチがすごくて、私にはまだ難解なレベルでした。

驚くことには、狭い会議室とはいえ、ぎっしりと満席となっていて、これほどに今回のセミナーが人気があるのかと思うほどでした。どうやら今回の勉強会は、実地臨床というよりは、学問として深いものを求めている先生方が熱心に参加されている、という印象です。

内容としては五行(火、水、木、金、土)と体との関係から始まって、、、あとは非常に漢方学の基礎という観点からいろいろなことを述べられ、途中から少し臨床的な話となり、実際にどの処方をするか、ということもいくつか紹介されていました。

残念ながら今回は小太郎漢方製薬が主催ということで、ツムラのそれに比べると処方種類が少ないことと、内容にも多少違いがあること、また、さらにマニアックな内容の種類(匙倶楽部)の紹介が目立っていたため、当院での応用に関してはそぐわないものでした。

ただ、五苓散や清暑益気湯などの有名な薬については当然小太郎漢方でも揃っており、夏バテには清暑益気湯、夏の下痢には五苓散、という、スタンダードなものも当然紹介されていました。

今回の講師の先生が言われるには、夏場は夏らしく、多少暑さを感じる程度の環境、そして運動を適度にすることで内部内面から熱を発生させて、皮膚や肺を通じて外へ熱を排出させることが大事で、そのためには当然冷たい飲食ばかりするのは悪い、と。また、暑いから汗をかくからといって、室内で冷房ばかりにあたっていると、皮膚がシャッターを閉じた状態になるので、内部からの熱を排出する働きが悪くなり、うつ熱となってしまうので、多少汗をかくこと、それも適度に運動をして、といことが大事だということでした。もう本当に、至極当たり前のことではありますが、漢方の専門家がいろいろな理論でそれを説明すると説得力が増すというものでしょう。ちなみに、サウナですね、それについては危険性を指摘されていたのが興味深かった。汗をかけばよいというのならサウナで強制的にかいたらいいだろうということで、外部から熱を与えて発汗させるということは、本来の本質的な流れと逆のことをしてしまうので、体には悪い、というのですね。夏はもともと暑いのですからね。例えば夏の冷房病などで、皮膚の機能が閉じた状態になってしまっている場合には、少しの時間、サウナは良いかもしれませんが、気分転換にたまに行く程度にしておくべきでしょう。むしろ、運動をして、内側から熱を発散する、しかもそれは冷房が効いた室内スポーツジムではなくて、ホットヨガとか、日射病に気をつけながらも普通に野外で運動をするとか、そういうものでやるべきだろう、というわけですね。

しかし現代の日本の夏は非常に暑くて大変です。また、それもあって、冷房をガンガンに効かせてしまいますね。そしてどうかすると運動不足となります。涼しい環境にいるのにさらに冷たい飲食をしたりして、余計に内臓が冷えてしまいやすい、そういう環境になりやすいので、今回の先生がいうように、「夏は適度に汗をかく、夏らしい暮らしを心掛ける」ということが大事なのですね。繰り返しますがこれは本当に真っ当あたりまえなことに他なりません。

あたりまえのことができなくなってしまっているのが、いまの日本にありがちなことであると、こういうテーマからも警鐘を鳴らされているような気がします。

追記)夏は多少の昼寝をすることも有用であるともお話しされていました。これは誰しも自然に行なっている行為とは思いますが、やはり車と同じでオーバーヒートしやすいのでしょう。それが夏の特徴でもある、ということです。

投稿者: 三本木クリニック

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