当院でもよく処方するベピオゲル外用剤ですが、今回臨床試験の結果がでたということで報告がありました。
つまり、通常の抗菌外用剤と比較して有意に炎症性皮疹が改善したとのことです。
20例ずつの無作為振り分け試験で、12週をゴールとしての連続観察によるものです。外用抗菌剤では最初の2週目から最後の12週までずっと、このベピオゲルに負けた、という結果でした。最終12週後時点では、外用抗菌剤では皮疹減少率は68.8%。一方ベピオゲルでは85.4%。
いずれの治療を選択するかは医師の判断によります。この結果だけをみてすぐさまベピオゲルだけを第一選択とするのは性急というものです。
また、一番重要な事は、治療を継続する、ということです。もちろん短期間でほぼ治癒したならそれはそれで治療終了として良いのですが、1,2週程度で改善しなかったからといって、「この薬は効かない」と治療をやめてしまうことは全く残念な誤解というものです。
今回の比較試験でも最初の2週後の時点では、外用抗菌剤では25%、ベピオゲルでも47%の有効性にすぎません。改善の兆しが少しでもあればそれは継続すべきです。
そもそも、ニキビでもアトピーでも、だいたい3年の治療を継続すれば、ほぼ寛解状態にもっていけるのです。もちろんその間継続的なフォローが必要です。それを怠ってしまうと、いつまでも治らない、というわけです。
ベピオゲルをはじめとするピーリング治療薬は、使い方が人それぞれで違うことが普通にあります。効果と副作用のバランスを、その患者さんの肌質やニキビの状態によっておのおの対応しながら取らなければならないからです。ですので、普通の使い方でやって、副作用がでたから以後一切使用しない、というのも、アホ対応といえます。