院長BLOG

2018.05.24更新

漢方診療には表題のように、聞きなれない言葉があります。これらは体の状態・所見を表すものです。

和漢診療学の代表的人物である寺澤先生によって、これらをスコア化したチェックリストが作成されています。

西洋医学しか習っていない一般的な医師にとっては、このスコアリストが大変画期的なもので、適合する症状所見の有無をチェックしてそれぞれに当てはまる点数を合算していくと、例えば気虚なら気虚のチェックリストでの合計点が30点以上あれば気虚と診断できるのです。

著書によれば、寺澤先生は多変量解析の手法によりこのスコアを作成されたそうですが、いずれにせよ我々一般医にとっては大変ありがたいツールとなっています。

当院でもこれを患者さん用に簡便にチェックできるようにしたアンケート用紙を作成中です。

 

診療所の役割は、最近思うに、未病(つまり、分かりやすい病名や器質的異常が見られない症状を呈する病気)の患者さんを治癒せしめることが大きな部分を占めているのではないかと。もちろん明確な診断名がつけられるもの、例えば高血圧だったり、脳梗塞だったり、狭心症だったり、癌だったり、糖尿病だったり、そういうものをdetectして適切に治療へ結びつけることは当然ではありますが、なかなかそういう病気ばかりでもない現実もあります。

たとえば精神科的な症状があるとして、さりとてどれもこれも「うつ病」という病名にして、西洋薬的な抗鬱剤や向精神薬を処方してしまうにはちょっとやりすぎかなあという症例は枚挙にいとまがありません。そして、一度向精神薬にどっぷり浸かってしまうと、そこから薬物治療離脱させるには、かなり時間がかかるのです。

まあ対症療法としてもそうですし、またはそういう未病という状態に対して用いるには漢方治療というのは大変ありがたい存在です。割合よく効きます。

保険診療で賄えるということも漢方診療の素晴らしいことで、そういうふうに扱えるようにしてくださったのも、先述の寺澤先生らのご活躍によるものということで、我々一般臨床医や患者は、その恩恵に感謝するべきでしょう。

医学は一生勉強が必要ですが、漢方診療については尚更に同様で、どんな達人であっても、やはり死ぬまで勉強が必要なのだそうですから、私などはまだまだこれから、といったところではありますが、一緒に学びつつ、治療もしていきつつ、多少なりとも貢献したいものだと思っております。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.21更新

昨日は貴重な日曜日を丸一日費やして、かかりつけ医機能研修を受けてきました。

また8月にも同様の研修がある予定なのですが、どうしてこんなに頻繁に開催され参加しなければならないのか、ちょっと分からないほどに重複する内容ではあります。

そうは言えども一応は何かしらは得るものがあるのが学会や研究会や研修会、講演のメリットではあります。

今回の講義は、

かかりつけ医の感染対策

健康増進、予防医学

フレイル予防、高齢者の老年症候群

かかりつけ医の栄養管理

かかりつけ医の在宅医療、緩和終末期医療について

症例検討

といった内容でした。

 

各々の講義でいろいろインパクト残った内容がありましたが、ごくかいつまんで紹介すると、、

感染症対策について、からは、まず歴史的な話で、昔、ゼンメルワイスという医師は、産褥熱で死ぬ患者の多い病棟では、医学生が解剖実習をしてそのまま病棟実習をしていることを原因としてつきとめて、石鹸水と塩素化石灰水で手洗いをするよう指導し死亡率を激減させた(産科死亡率18%から0.1%へ)というエピソードが紹介されました。この際、手洗いをすべきという指示に対して多数のクレームがあったそうです。なかでも、所属病院の院長からや、ウイーン医学会からも憎悪で対応されたとのこと。これはパスツールが「目に見えないバイ菌(病原体)」の概念を発見した30年も前にすでになされていた快挙なのですが、医学会のお偉い面々からは全く評価されなかったそうです。ゼンメルワイスは1816年生まれの医師だそうですから、その時代でもいまの時代と同様、バカの壁みたいなものがあったのですね。

手洗いの重要性はいまでは当然のことですが、さらに興味深いこととして、通常の石鹸での手洗いと、抗菌剤石鹸でのそれとでは実は差がないことが2002年のパキスタンでの研究で確認されております。

他、感染症について最近のトピックとしては、少し前に話題になった、麻疹ですね。これはタイから台湾そして沖縄へと移動した人が感染源だったと確認されています。愛知県でも感染者がでましたが、これら皆遺伝子型が同じで、海外からのウイルスだと確認されています。この感染源の人の移動経路については個人的には「短期間によくそんなあちこち移動するものだなあ。何の仕事?旅行?」と訝ってしまいましたけれども、、。

STD(性感染症)が日本でもかなり問題となり増加しているようで、エイズ、梅毒、といったものが、重篤な感染症として紹介されました。おそろしいことです。

フレイルについては、いまさかんにメディアでも取り上げられるテーマですので、興味深く拝聴しました。なかでも、BMI(body mass index)は中高年では23から24くらいがベストである(つまり生命予後が良い)、というデータが面白かった。というのも、私自身日々の臨床をしていて、中高年の場合BMIが22を正常とするのには無理があると考えていたのです。日本でのきっちりとしたコホート研究でこのことが示されて納得した次第です。私は人間ドック学会の主張した間違った情報工作には憤怒しましたが、正しい考えというのは過去か未来かにちゃんとエビデンスがでるものです。

サルコペニアやオーラルフレイルといった、介護保険の受給を受けるような高齢者障害者にまつわる話も、新たな視点で見直すことができました。

栄養管理の講義では、高齢者の栄養素の推奨優先順位が示され、その第一位はタンパク質でした。二位が脂質、三位がビタミンや微量元素、といった形で、炭水化物は???ありませんでした。これは「だから炭水化物ダイエットだ」としてしまいがちな話なので注意が必要です。この提唱については2010年の日本人の食事摂取基準という公式文書に掲載されている内容ということなので、当然それなりの根拠があるのでしょうが、要するに戦後何十年も経過した日本では悪い意味でのメタボが蔓延しているので、それを一つの槍玉にあげる意味もあって炭水化物を省いたのかもしれません。これについてはいずれ是正されることになるとは思います。炭水化物ダイエットの提唱者が70歳で亡くなっている現実は謙虚に受け止めるべきでしょう。もっとも、炭水化物なしでも栄養学的に問題なく生活できることは、タンパク質や脂質から肝臓が代謝しエネルギーを取り出すからなのであり、それはそれで分かります。しかし肝臓が疲れて脂肪肝などで代謝能力が落ちたら?ということも考慮すべきかとは思います。

在宅での緩和ケアについて、からは、対象疾患が呼吸器、悪性疾患、認知症、神経難病、などにより在宅での緩和ケアをどうするか、という内容で講義されました。今回の講義では言われませんでしたが、末期患者さんのための「緊急退院、自宅で看取り」というテーマもこれからの時代、価値が上がってくるのかもしれないと、最近、他のドクターによる提言を見て、思っています。

最後の症例検討では、認知症の徘徊や暴言を呈する患者さんにどのように医療や社会ソースが介入すべきか、ということや、重篤な精神疾患をもつ、要介護3というADLの患者さんにどう対応するか、ということについて紹介されました。

症例検討で提示された症例は、かなり具体的で、かつ、しばしばこういうケースある、と感じるものですので、かなり考えさせられるテーマとなりました。

ごくかいつまんで印象に残ったことを挙げましたが、それにしても、かかりつけ医というのは、本当に包括的にいろいろと勉強しないといけないもので、、というか、つまりはかかりつけ医というのはふつうはコンダクターとして機能するわけなので通常は内科なのですけども、その割にはいまのところ、かかりつけ医としての機能について、勉強だけはさせられる割に診療報酬にはまだ個人クリニックには反映されていないものだと嘆息しました。

 

 

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.17更新

日本は贅沢な国になってしまっています。良くも悪くもです。

最近思うことは、サービスを受ける側と提供側との立場の間に、隔たりを感じることが多い、ということです。

受ける側は「お金払ってるお客さんだぞ」ということで、ありがとうという言葉がでてこない。

提供する側は「普通にこれくらいのサービス精神でやってあげてる」という内心で、心がおろそかになっている。

結果的にどちらも不満足、という結果に陥りがちです。

温泉だったり、小売業だったり、飲食店だったり、車屋さんだったり、いろいろ商売はありますが、その隔たり感を埋めているところはやはり繁盛しています。

コンビニでも店により全然印象が違いますよね。アルバイト店員が入れ替わり勤務しているのはどこでもいっしょでしょうが、私がかつて当直仕事のとき毎週通っていたコンビニでは、どの店員さんであっても、対応がいつも安定して良質なものでした。しかし、そこは正直いうと特殊なほど珍しいケースであって、そうでないところのほうが普通です。

海外旅行に行かれると分かると思いますが、海外の観光地での店員さんなんか、対応ひどいもんですよね。日本がどんだけレベル高いかが改めて分かります。

病院の場合はどうだろうか、、と、いつも思うのですが、私は病院はやはりちょっと違うととらえています。でも、例えば、予約で時間どおりに行ったのに1時間も待たされるのはさすがに閉口しますわね。それは予約が予約になっていないという構造的な原因があるわけですが、大病院ほどそうなってしまいがちなのは、相対的にマンパワーが不足しているためでしょう。

どんなに教育が良くても、絶対的なマンパワーが不足していれば、満足いくサービス提供など絶対無理です。相手のお客さんの時間(命の一部)を無駄に捨てさせているわけですからね、、、。

私のクリニックでも、たまに大勢受診される日があって、そういうときにはずいぶん待たせてしまうことがあります。もちろん、おそらくはそれでも他所よりは早いほうだとは思います(ちなみに、早いのは私の仕事の仕方に理由があります)が、それでもやはりヤキモキしてしまうことはあります。

5月とかは比較的時間に余裕があるほうなので、水木金曜日の午前外来などは空いています。そういったとき、普段は相談できないことや、普段じっくり問診できないことを聞くことができます。

殆どの患者さんは病院に受診して、何かしらの診察や治療を受けると「ありがとうございます」と言われます。お店とかで何かを購入したときには、店員さんが「ありがとうございます」と言いますね。そのときお客であるこちら側も、「ありがとう」と言ったり、(どうもありがとうの略で)「どうもー」と言ったり「ごちそう様」と言ったり、いろいろ言いますね。一方、病院ではサービスを提供する側が「ありがとうございます」とは言わないです。それはなぜかというと、病気になるのは喜ばしいことでないからですね。だから病気になってきてくれてありがとうございます、とは、とても言えないのです。病院というところが何ともいえない特殊な場であるのは、嬉しみや感動もある一方で、悲しみもあるからでしょう。そういうことなどがあり、患者さん側のみが、「ありがとう」と言うことになることが多いのです。

そういう微妙なところがあるのが病院なのですが、それを分からずに、単にお客さんとして扱えと勘違いする人がおられますね。それだけ苦痛もない症状で来院されるからなのか、逆に、苦痛が大きいから早く対応してほしいということなのか、いろいろあるとは思いますけれど。それに対して、もちろん丁寧で親切な対応は絶対必要ですが、病院のほとんどの業務は、保険診療という、決まった料金体系でやっている、どちらかというと公共サービスのようなところがありますから、すべて自由診療の美容形成とかのようにはいかないですね。

先日、ある患者さんの家族から乞われて、往診に行きました。幸い治療としてはうまくいって、2度の往診だけで済みました。ただ、このときひっかかるものがありました。往診してくれて当たり前、お礼の言葉もない、診療費の支払いについての申告もない、といったものです。そこは高度要介護患者用施設なので、患者さん自身は寝たきりです。そしてその施設は私の知る限り、先生は優しい先生で、対応にさほど問題があるとは思いません。そこで毎日お世話になっていることへの感謝の気持ちはあるのかなあと、思ったのです。

こういうことは、社会人としての基本的なモラルというかマナーとでもいうべき常識に関することです。病院だからといって非常識に甘えた態度をとられてはダメだと思います。約束を破ることがもっと一番ダメですけどね。

どうしてお互いに隔たりがあるのか、というと、今の時代、やはり忙し過ぎるのではないかなあというのが私の根本的な考えです。労働も時間も薄利多売状態になっているような気がします。それだけ情報も業務も複雑かつ多い、ということになるのでしょう。サービスも多い、ということは昔はなかったオプションがどんどん追加されている、ということでもあり、そのオプションに対応するためにどんどん業務が膨大化複雑化するため忙し過ぎるのではないか、ということです。

 

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.17更新

昨日は午後から健康講座に参加し、耳鼻科疾患ではありますがメニエール病についての講演をしてきました。メニエール病に関心をもつ参加者からのリクエストによるものです。

専門外の内容ですので改めて勉強する機会になったので自分としても有意義だったと思います。とはいえメニエールに限らず、めまい発作というのは日常臨床で内科医や救急外来でしばしば対応することのある疾患です。聴覚症状にめまい(たいていは回転性)を伴うものを概してメニエール病と称してよかろうと思いますが、良性発作性頭位めまい症とか脳底動脈循環不全との鑑別が難しい面もあります。とくに良性発作性頭位めまい症とはめまいの型が同じです。ただし一般的にメニエールには聴覚症状(聞こえが悪くなる、耳鳴りがする)を伴う点が違います。また、その発症機序にも違いがあり、メニエールでは内耳のリンパ水腫が原因とされているのに対し、良性発作性頭位めまい症では内耳内部にある砂というか石というかそういうものが悪さをします。脳底動脈循環不全症によるめまいは、聴覚症状がないことと、めまいの症状の種類が非回転性でないことが特徴です。脳底動脈の場合、動脈硬化が背景にあることが推察されるので脳梗塞の前兆として注意が必要なこともあります。

まあ大体ざっくり各々の特徴を簡単に説明するとこのようになりますが、非典型例もいろいろあるでしょうから、あくまでも目安です。

今回の講演で、私自身、実験的に試して効果を確認したという意味で勉強になったのは、やはりビデオ上映が好評だということでした。中には講演の最初からビデオ上映終わりの最後までずっと寝ていたおじいさんもおられましたが、そのお一人以外全員が大変興味をもって参加されていたのが分かりました。

ビデオの内容は当院の待合室にも置いてある「めまいのリハビリ」という本に付録のDVDの一部を供覧したものです。

メニエール病に限らず、高齢になるとさまざまな原因により平衡感覚が劣化してきます。それをどうやって訓練して日常を気分よく調子よく生活するか、というためにめまいのリハビリを具体的に紹介されています。講師は横浜市立みなと赤十字病院の新井先生です。普段めまいを自覚していなくても、この訓練をやると、おそらく体の動きやバランスとりがより良くなると思います。平衡感覚や動体視力の訓練は、転倒防止や自動車運転の向上のために役立ちますからね。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.16更新

シミの治療や相談に来られる患者さんをたくさん診て、かつ、エキスパートの先生の講習や著書でシミの治療法を学ぶにつれ、普段何気なく指導している「こすらないように」という言葉が、具体的にはどのレベルでのことなのか、ということがうまく伝えていなかったなあと思うようになりました。

というよりも、自分自身が、実際に患者さんの皮膚に応じた保湿剤の塗り方(もちろん皮膚に合わせた剤型のものを選択してありますが)を実際にして見せてみて、初めて患者さんに多少なりとも理解してもらえるのではないかという思いが沸いてきた、という気持ちです。

 

例えば、「こすらないように気をつけてました」と言っている患者さんでも、実際にはこすってる、ということが甚だ普通にありふれているようです。

フォトセラピーやレーザー治療でシミが薄いかさぶたになって、それが自然に脱落するのには本来は2週間ほどかけるべきで、すなわち換言すれば、それだけ長い日にちの間、かさぶたを温存するべき、ということです。

しかし実際には1週間でほぼ全部脱落、もしくはひどいと数日後にはすでにかさぶたを完全に除去してしまっている事例も少なくないのです。

かさぶたを温存することは、次の皮膚の準備のために重要であり、早期に脱落させてしまうと、結果的にリバウンドしみが発生してしまいます。リバウンドシミは1年ほどかかってやっと収束するという、ストレスな副作用です。ですので、最初の2週間をいかに大事にするか、ということで、長期的な仕上がりの良しあしに関わります。

「こすってない」と意識しているつもりでも、無意識に長年の習慣で、普通に洗顔もする、普通に化粧も化粧おとし作業もしてしまう、となれば、かさぶたの温存などは無理に決まってます。でも別に化粧をしてはいけないといっているのではないのです。ゆっくり時間をかけて丁寧に、皮膚に圧力や摩擦力を極力かけないようにゆっくりとやる、ということです。それがつまり、こすらない、ということになるかと思うのです。

シミの患者さんの皮膚は大抵、菲薄化しヨレヨレです。もともと色白で上手に日焼けをできない体質ゆえにシミの発生を招くのですが、さらにそういう人の皮膚は薄いことが多いです。ヨレヨレになっているのです。それは同時に、保湿力が弱いことでもあり、脂で皮膚バリアを形成する能力が低いということでもあります。

だからこそ、保湿剤を塗布するときには、そういう肌質や状況の人は、できればローションでなしにクリームを使用するべきです。ローションは手早く塗りやすいがアルコールの成分により皮膚を傷めるリスクもわずかながらあります。化粧水については本来は保湿剤で代用すべきですが、化粧の下処理として化粧水は外せない、という人には無理強いできない面もあります。化粧水もアルコール成分が入っていますからね、大概。いくらヒアルロン酸成分が付加されているものであっても、アルコールや防腐剤、合成化学薬品が含有されているものは、塗りやすいものであるほど皮膚には悪影響、といえるかもしれません。

いくらレーザーやフォトセラピーをしても、家に帰れば毎日皮膚をこすりまくる習慣が続けば、「せっかく美容の治療をしたのに全然効果ない」ということになってしまうのは明白です。治療というのは悪癖を是正して初めて意味があり効果がでます。

例えるなら、アルコール性肝硬変の人が、アルコールを飲みながら肝臓の保護治療薬を服用するようなもので、どんどん火を焚いて焼いている石に少々の霧吹き水でも噴霧して鎮火しようとするようなものです。

こすらない、ということを、できれば診察時間に余裕があれば各人に、こすらない保湿クリームの塗り方を実践的に教えてあげたいのですが、なかなか全員に指導することが(とくに症状の軽い人には)時間的に難しいので、今回ここで少し説明することにしました。

弱い皮膚に自分の手でもって地震を起こさせない、というイメージです。こすったり揺らしたりしない、ということです。

乾燥肌状態を放置することも、シミの原因となります。とくに今の時期紫外線がスゴイですから、紫外線を浴びるだけでも皮膚炎になり、皮膚表皮がはがれてしまい細かい傷になります。保湿剤クリームを丁寧に塗布することが、とくに医療用の保湿剤は傷修復作用効果も併せ持っていますので、大変有効となります。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.14更新

おとといの土曜は夕方から愛知県医師会理事の野田先生による、在宅医療の新ルールについての講義がありましたので参加しました。

この4月からのルール改定により往診や訪問診療の算定がどうなったのか、という解説なのですが、講義を受け、適宜質疑応答のプロセスを経てみるに、複雑かつ矛盾点があったり、解読不能だったりする内容のルールだということが判明したので、これでは在宅医療や往診へのモチベーションはしばらく上がらないだろうと思いました。

国は医療費の削減のため(建前としては介護職員や施設が不足していることを理由にしている面もあるでしょうが、実質的には医療費削減のため)、在宅医療を推奨しているのですが、一部のあくどい医療機関がルールの隙間を塗って倫理的不正請求をしている事例が訪問診療や在宅医療の分野でみられるため、ルールの隙間をきつくしようとして対抗しようとしたようです。

そういう悪い機関のために、普通の医療機関はややこしいせめぎ合いの結果に翻弄される結果になっています。つまりどういう結果になるかというと、在宅医療なんて積極的にはやれんわ、ということです。

当院はもともと在宅医療についてはさほど関わっていませんので、あまり影響はないのですが、それにしても、皆保険制度の終焉はさほど遠くない未来に訪れてしまうのではないかと思います。人口の年齢構成プロファイルからみれば構造的に無理が生じているのです。社会保険のために使うと言われていた消費税増税も結局国の税収の収支の一部になっているだけのことで、社会福祉や社会保険の分野に使用用途を区分けして支給することなど考慮されていないです。

医療の現場では、いまの時代、みんなが何かしら疲弊しているように思うこのごろです。それは私のように地域医療を行なっている町医者の日常みる患者さんの諸状況をみるに大変目立って見えます。

テレビタレントですらそういうこともあるでしょうし、精神的に気づかないけれど奴隷状態になっているように思えて仕方がないです。

年よりが長生きしすぎても家族に迷惑がかかるなあと思うことも多々あります。それは主として経済的な事情が絡んでいます。在宅医療に関するたくさんの問題も結局は財源の問題に行き着くのです。

一番私が危惧していてなおかつその対象者が気づいていない事は何かというと、知らないうちに(給料の大小に関わらず)自分の人生を自分が主体的に生きているのではなく、意識せずに仕事や会社の奴隷になってしまっている、ということです。下手に体力や健康に自信がある人ほど危険な気がします。無理がきいてしまうからです。結果、病的な現象を引き起こしてしまうまで気づかずに、いきなり大問題や健康障害を発生させてしまうのです。足を骨折しているのに「まだ歩けるよ」などと言うようなものです。

借金も一種の奴隷の原因ですわね。私もそうですから他人事ではありません。でも、高度経済成長期にはみんなローンを組んでも奴隷感はなかったはずです。いまは「景気が悪いから」という表面的な言い訳は簡単ではありますが、トヨタの最高益更新のニュースはどうなんだろう。将来的な自動車産業の行く末はいろいろあるかもしれませんが、少なくとも、いま現時点では景気が悪いとは、この企業に関しては言えないです。

なにが言いたいかというと、やはり自分の人生を、経済の良しあしに関係なく、いかに奴隷にならないように生きるか、ということなのです。たとえ年収が一般人の一生分だという芸能人であっても、毎日忙しすぎて病気になってしまうようではダメなんです。それは奴隷です。小さいときから飼いならされていると、自分で自分の人生を考えることができなくなっているかもしれません。

一方、やはり収入が少ないということは、本当に切ないわびしすぎる現実というものです。これは経験したことがある人はみな分かる感覚です。でも、どうですか?収入が少ないといいながら、毎月何万円もかかるスマホは、自動引き落とし支払だからということもあるでしょうが、皆さん喜んで支払っていますよね?

私に言わせれば、これも奴隷ですわ。マイクロソフトの商品も同じようなものです。もはやインフラとなっているものに、いつまでも開発当初と同じ価格というのは、社会道義としては許されなくなってくることだろうと思っています。

つまり、人間は皆老いる、ということをもうすこし想像して、それならばいま自分はどうするべきか、ということを、自分の人生を考えるということを、やはり日々すべきような気がするのですね。。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.14更新

今年の4月の診療報酬ルール改定により、当院で一番主流に行なっている、イボ痔のコンビ治療法による手術費用が、少し値上がりしております。現状でその術式では2万5千円ほどとなります(3割負担の健康保険の場合の窓口負担)。

それでも当院は安い方だと思います。それは日帰りであることと、麻酔法を工夫していることによります。

生命保険もいまどきのものでは日帰り手術も適応になることがほとんどでしょうから、還付金でおつりがくるほどでしょう。その手続きは生命保険会社に連絡するだけのことでスタートしますので大した手間はかかりません。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.14更新

昨日は山間部があれほどに大雨になるとは考えずに下呂へのプチツーリングをしたのですが、往復ともひどい雨で、誘って一緒につきあってもらった仲間には申し訳ないことでした、、、。

何年ぶりかの下呂温泉は、さすがに湯質が素晴らしい。旅館や場所によりけりでしょうが、下呂温泉は日本三大名泉といわれ、有馬、草津とならんでの名湯です。

私が思うには下呂が一番だと思います。草津温泉は学生時代に合宿でボロ宿に行ったことがあるだけなのでちゃんと評価してませんが、あそこはお湯が熱いですから長くはいっていられないでしょう。

とにかく下呂温泉です。

ひさびさに行って何気なく館内の通路を歩いていたら、その通路にはもともと各界の著名人の写真と寄稿が所せましと掲示されているのですが、なんと私の大学院時代に教授だった中尾昭公先生(現名古屋セントラル病院院長)の写真が! 著名人の一人として飾られてありました。

温泉はやはり泊まりで行きたいものですね、本当は。しかも大雨のなか濡れネズミでの帰路。せっかく温まっても風邪ひきそうになりましたから。

 

 

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.11更新

昨晩は、日本では新しく導入された、緩和治療薬のヒドロモルフォンというオピオイドについての講演会に参加しました。

聴講を終えて、感じたことは、10年前や20年前に常識だったことや定説だったことが、いまになると全然違うことになっているのだなあと、医療の世界(他の世界でもそうかもしれませんが)の変遷はなかなか劇的なものだということでした。

もちろん、根本的なことについてはなかなか変わらないし、変わるべきでもないテーマもあるのですが、こと薬剤の進歩開発についてはさすがなものがあります。

今回のヒドロモルフォンという、医療用麻薬ですが、欧米では80年前から使用されているもので、それなのに日本ではほんの最近になってからようやく導入されたということで、いまだにそんな薬もあるのだと、何とも言えない感慨をもちました。

要するに、、モルヒネの副作用を軽減したオキシコドンとほぼ同等の効き目と副作用ですが、代謝についてはモルヒネと同じグルクロン酸抱合により、他の薬剤との競合や増強効果の影響を受けづらい利点があるようです。また、腎機能への影響も比較的少ないということで、世界的にみれば決して新しくもない薬だそうですが、日本においてはいろいろと使える面があるということです。そして肝心な点は、1日1回の服用で良いこと、頓服レスキュー薬の剤型がいままで他の薬剤にはない錠剤タイプだということが、現実に緩和医療を受けている末期がん患者さんや末期呼吸不全患者さんにとって大きなメリットで、服薬についての負担が楽になるそうです。これまではレスキューの内服薬というと、粉薬や水薬しかなかったので。

とはいえ今の日本には貼付剤もある合成麻薬もあったり、いろいろ他にもオピオイドは選択できる余地があるので、まあ、劇的に何かが変わるということでもないですが、、。

最初に書いたように、ちょっと昔の時点では、オピオイドは種類が違うものを併用してはならない(互いに拮抗してしまうので)という常識があったのですが、いまではそんな常識は全く非常識になってしまっているようです。これについては詳細理由を確認中ですが、おそらくはCYP3A4といった代謝酵素に関連していろいろな薬剤が代謝されるために、経験的にあたかもオピオイド同士が拮抗してしまうように勘違いしてしまった歴史があるのかもしれません。理論というのは現象に後付けできるものだから、理論的に言い訳はいくらでもできたわけです。ただし、実際にいろいろな薬剤を併用することで、副作用も軽減でき、効果が増強できるという臨床経験自身が最も大事なことになります。

 

ちょっと上手に説明ができなくてお恥ずかしいですが、とにかく、いまの時代は、疼痛緩和や呼吸困難のコントロールについてはかなりレベルが高い治療ができるようになっている、ということです。もちろん、ちゃんと分かって勉強して、でなければ実践などできないですが。今回の講演で、演者の先生が言いたかったことは、「医者が慣れた薬剤で使いたがる傾向があるけれど、ちゃんと知識をアップデートして、患者さんにとって最善の治療を提供しなければならない」ということだと思いました。

投稿者: 三本木クリニック

2018.05.07更新

お誘いがありまして、昨日岐阜県揖斐郡池田町にある極小美術館というところに行ってきました。

美術作品の個展があったのです。

大垣の高速出口を降りてからがなかなか距離時間がかかりまして、ゴールデンウイークも最終日ということでしたが、やはり車の交通量が多かった印象です。やっと着いたところ、非常に地味な立地条件にもかかわらず、美術マニアがたくさん訪れているのに驚きました。

私が誘われて観たのは樹木をモチーフにした工作品だったのですが、その他にも大きな黒っぽい塗りつぶした丸の絵画をいくつも展示した作者の展示もあり、各々になんとも言えない印象を感じました。

美術作品を鑑賞するということがほとんどない人生を送ってきましたので、今回初めてですね、こういう、現代アートとでもいうべき展示会に参加したのは。

いろいろな説明を拝聴し、また帰路についたのですが、帰りもなかなかの交通量で、行き来がなかなか大変な場所ではありました。どちらかというとその印象が強かった。

無粋な人間ですが、まあ一つの良い経験になったと思います。

ひとつ得たことが今回ありまして、来週このあたりや伊吹山へのプチツーリングを考えていたのですが、時間的なスケジュールなどの組み合わせが難しいだろうことが判明したので、別の目的地への変更をすることになりました。これが分かっただけでも良かったと。

それにしても、芸術を生業とする人たちというのは、生計を度外視してまでも追求したいなにかしら情熱というものがあるものなのですね、、。本業としてなのか副業としてなのか、趣味としてなのか、いろいろ置き位置はそれぞれあるでしょうけれども、、、。

一つのことをずっと突き詰めることはなかなか大変なことで、それは生命力が高いこと、関心が大きいことにより初めてなされることだと思うのですが、そういうものが強く内在している人というのは、私からみれば本当に大したことだなあと、ある意味尊敬してしまうのですね。

だんだん、年齢とともに、健康や活力が衰えてきますから、それを維持するためにはそれなりに苦痛を伴う訓練鍛錬をしなければ現状維持すらできなくなります。その気力の源泉が生命力なわけで、いろいろなやる気や情熱というマグマは生命の強さに依存するのですね。

価値というのは人それぞれですから、その人が一生かけてもやり遂げたいという対象があればそれはその人にとってとても幸いなことです。打ち込める大きなテーマをもっていることになるからです。

セザンヌは晩年亡くなる数年前になってようやく評価されるようになったといいます。それまで誰からも評価されなくとも、セザンヌは、(ゴッホなどは死ぬまで評価されなかったわけですからもっとですね、、)自分の、せずにはいられない情熱があったわけで、それを一生続けていったのです。

そういう意味でいうと、たまたまこの美術館へ訪問した日の午前には、名古屋のデパートで開催されていた、水木しげる展にも行ってきたのですが、水木しげるさんも、本当にたくさんの作品を、左腕のない状態で、たくさんたくさん残しているのです。もうお亡くなりになってから何年か経ちますので、何とも言えない切ない気持ちになりましたが、世の中で凄い業績を評価された人というのは、本当に凄い努力をされているからなのだという、至極当たり前ではあることですが、改めて嘆息してしまった次第です。

だから三本木クリニックがどうだのと関連づける考えはありませんが、なんだかむしろ、不必要なものは捨て去っていくべきなのではないかという、そういう気持ちを強めた、というのが正直な感想でした。

 

長い休みが終わり、今日からまた通常の診療仕事が始まります。世の中の人たちもみな同じです。学生さんも然りです。ボチボチとやりましょうか。

投稿者: 三本木クリニック

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