今月いっぱいで今まで長らく使用してきたホームページが終了します。
新しいホームページは年内にはなんとか開始としたいと思っていますが、まだ未定です。ブログについては別サイトで新たに最初から始めることとなります。
当院の手術紹介や治療方針などの解説をしたブログについては移植してまた見られるようにします。
これまでのホームページにはずいぶん慣れており、本来なら継続したかったのですが、ブログ管理会社のサービスが低下したことによりやむを得ない判断でした。
いまから振り返ってみると、実はいろいろと問題があったことが分かり、そういった意味でも切り替えは正解だと思います。
ともあれ、このブログを使えるのもあと10日ではありますが、さっそく先週末の勉強会で得た知識を提示します。
先週末、土曜日の夕方は、東名古屋医師会の総会があり、そのときの勉強会は、糖尿病の新しい薬、GLP1作動薬についてでした。
昨今、自由診療分野で「やせ薬」などとして、糖尿病でもない人に処方されることによって、本来処方を受けるべき患者さんが受けられない社会現象が続いているのが、このGLP1作動薬です。そのほとんどは注射剤です。
今回の講演では、このうち、唯一の内服薬に着目して説明をされました。ただ、実際には私の思うにはちょっと効果にばらつきがあり、服薬の仕方もかなり大変なので、まだ注射剤のほうが良いだろうという印象をもちました。
この、GLP1作動薬は、メトホルミンやSGLT2阻害剤とともに、心臓や腎臓への保護作用が明確となっている糖尿病の薬剤群です。
ただ、痩せる件についていえば、それは、GLP1作動薬でも各メーカーの薬剤によりけりだということと、消化器症状の副作用とはどうやらリンクしているようです。
比較的古い薬であるスルフォニルウレア(SU)剤やチアゾリン系のピオグリタゾンという薬は、体重を増やしてしまう副作用があります。SU剤については弱った膵臓にムチ打つことによってインスリンをふやす薬ですので、膵臓に負担をかけます。近年ではほぼ使用されないべき薬となっています(かつてはメジャーな薬だったが)。ただ、痩せすぎのⅡ型糖尿病の患者さんにはごく少量のSU剤を使用することで、適正な体重に近づける効果が期待できる面もあるそうです。ピオグリタゾンはインスリンの感受性を上げることにより血糖降下作用をもたらします。この薬はまだ適切に使用すれば問題はありませんが、使用条件がいくつかあります。
さて、GLP1作動薬の、痩せる効果の有無についてですが、例えば、あるメーカーの薬は痩せることがかなり期待できる、けれど、食欲不振、便秘、といった、まあ当然そうなるだろうという副作用はセットでついてきます。一方、痩せる効果がさほどないタイプの場合には、同じGLP1作動薬であっても、そういった副作用は少ないです。個人的にはこういう薬が安心かなと思います。どのメーカーの薬でも血糖降下効果はほぼ一律に同等と思います。
実は、動物実験では、GLP1作動薬を長期に用いると、小腸が異様に長くなり、粘膜絨毛が異様に発達し、結果として腸管の内腔が狭くなることが判明しているそうです。言ってみれば飢餓の状態にもっていく薬剤なわけですから、さもありなん、ですね。内腔が狭くなり、かつ腸が長くなり、薬の効果として食べる量も少なければ、結果として便秘になる、というわけです。
結局は薬でなんとかしよう、という一辺倒ではなく、自力本願も大事なんだということになるのです。
ということなど、今回の講演で得た知識でした。
さて、この日は名大の同門の先輩方と会食する約束をしたので、医師会の懇親会は不参加としましたが、尊敬する先輩方といろいろな話をして、ちょっと時間も足りないほどでしたが、一人は岐阜から名古屋市内に来てくださった先生なので、遅くならないうちに散会としました。それにしてもこの週末は寒かったですね、とくに土曜日が。
まだまだインフルエンザの流行が懸念されるのはこれからが本番でしょう。気が付けば11月も下旬です。いろいろ慌ただしくなりますが、ボチボチと健康維持で頑張りましょう。