院長BLOG

2023.08.28更新

日曜は10時から17時25分まで延々1日費やして、医師会での研修会に参加しました。

1.感染症対策

2.介護保険制度とリハビリ

3.口腔・栄養・リハビリ

4.日常臨床で注意すべき皮膚科・眼科・耳鼻科疾患

5.認知症ケア

6.終末期ケア・フレイルについての症例検討

 といった講義を受けました。

 

なかでも一番インパクトがあったのが、群馬大学名誉教授の山口先生による認知症についての講義でした(5番目の授業)。

尊厳の保持と自立支援のための認知症ケアと生活支援、という題名で、要するに、全人的な対応を、という内容でした。認知症患者の家族や介護者や医療者というものは、認知症患者の立場を考え、受容と共感と諦め、というスタンスで接するべきである、と。

 

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最近話題の認知症予防薬レカネマブについても言及され、この薬はMCIステージの、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症ではない)と明確に診断基準に則って診断された初期の患者にのみ使用が適応されるものである、ということです。あくまでも予防薬です。

この薬剤は、別の機会に聴いた勉強会では、注射剤であり、2週間おきだったかの定期的に投与で、かつ高額で、特定の医療機関(愛知県で1か所だけとかから開始)でのみ扱う、というものだそうですから、かなり限定的な治療となるでしょう。

いまでいうところの認知症患者に対して尊厳を保持した診療を提唱した偉大な精神科医で、呉秀三先生という、明治大正昭和の最初まで東大教授などで活躍し、日本の精神医学の父、と言われている医師がいたことを、恥ずかしながら初めて知りました。私とは全く無関係ではありますが、この日の講義でなんとなく嬉しい話でした。

講義4.の、皮膚科の講義では、帯状疱疹についての話がありました。50歳を超えると急に発症率が上がるというデータがあり、昨年からワクチンの宣伝も多くされるようになったこともあって、関心は高いだろうと思います。旧来の水痘帯状疱疹ワクチンは生ワクチンであり、本来積極的接種が推奨されるべき妊婦、担癌患者、免疫抑制患者には使えませんが、新しい非生ワクチンではその縛りがなく、効果も高いことが知られています。日進市ではまだ公費助成対象となっていませんが、名古屋市や都心自治体では半額で済むようになる助成が設定されているようです。効果はあるが高価なのです。

 

いろいろな内容盛りだくさんで大変疲れましたけれども、この日の講義研修では、泣ける思いをしてしまいました。

勉強で何故泣けてくるのか、、、。それは、過去の自分の過ちに反省して、自分の知らなさ至らなさに情けなく思い、知る喜びにありがたくも思い、まだまだ終わりのない勉強の道があることに絶望もし、いろんな意味でだと自己分析しました。

医者も最初から名医ではないし経験や技術も最初はゼロから始まります。そしてどんなにベテランになっても、医師という仕事をしている限り、勉強、反省、向上に終わりがない、ということなのです。若いころにはそんなことあまり思わなかったのに、この年になっていろいろ知識や経験が増えるほどに逆にプレッシャーを強く感じるようになっている次第です。

 

 

投稿者: 三本木クリニック

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