脱出性の内痔核というのは、排便時にイボ痔が内部から出てきてしまい、用手的に還納しないと脱肛状態になってしまう状態をいいます。
慢性的に脱出が続くと、脱肛したままとなります。
脱肛状態となるとさすがにメスをいれる手術となりますので、そうなる前に、なるべく切らずに治すとすれば、ジオン注射によるALTA療法を、まだ自分で還納できる状態(ゴリガー分類の3)のうちに行うことが肝要です。
当院ではよほどひどい脱出性内痔核と、有茎性のポリープについてはさすがに一部切除を行いますが、原則的に内痔核に対しては注射による治療だけで治めるようにしています。
忙しい毎日の中で、しかも患部の場所が肛門ということで、なかなか手術に踏み切れずにおられる方もあろうかと思います。当院での手術の特徴については、ホームページの肛門外科の項目や下記ブログでも紹介していますので、手術治療について迷っている向きにはご覧いただくと良いかと思います。
http://www.sanbongi-clinic.com/blog/2020/05/post-1428-735286.html
私のやり方は手術は簡便かつシンプルというスタンスを心掛けています。例えば内痔核と外痔核の併存の場合には、内痔核にはジオン注射、外痔核には美容的な観点やおしりをきれいに拭きやすくするために皮膚のたるみ部位を切除するという、いわゆるコンビ療法を行います。これにより、日帰り手術で過不足のない手術が完成するのです。
ともあれ、なるべく切らずに、ということを今後より一層心掛けていきたいと考えています。