院長BLOG

2023.03.09更新

CPCは臨床病理カンファレンスという意味です。

昨夜は豊田厚生病院院内で開催されたこの会合に関連施設として参加してきました。

今回は救急で受診した患者さんがその後亡くなった事例を2例提示され、その診断について解説されました。

一例は難病症例で、一時は改善し退院までできたものの、すぐに悪化し死亡した患者さんで、もう一例は大血管の破裂により、搬送時すでにこと切れていた患者さんです。

この二件の症例事案を見るにつけ、いずれも比較的高齢の男性で、無治療の持病があったにも関わらず、それまで病院に受診することはなかったようです。

いわゆる病院嫌い、健診嫌い、ということだろうと思うのですが、

人並みに長生きしたければ健診や体調管理や適切な治療通院というものは必要なのだと、あらためて感じました。

いくら最先端の医療機関が救急でひきうけたとて、それまでのその患者さんの来し方が悪いと、どのみち救えないんだな、ということです。

太く短く生きるのも自由、ですが、いまの時代、太く長く生きることも、ちゃんと心身に向き合って適切に対処すれば可能なのが、現代の日本です。

 

昨日は水曜日でしたので午後休診で、私は毎月行なっている当院での勉強会とカンファレンスを昼から職員全員で行い、その後自分自身の眼科定期受診をし、そこから厚生病院での会合までの時間を利用して、あとわずかで終わりとなってしまう予定の、「岡本太郎展」を見に行ってきました。

平日というのに、気候が暖かかったこともあってか、大変賑わっていました。すでに没後何十年も経過しているのにいまだに知名度が高いのは、やはり大阪万博会場にあった太陽の塔が語り継がれているためでしょうか。彼が没後に生まれたと思わしき若い世代の観覧客も半数ほどを占めていたのは驚きでした。

作品の多くが神奈川県にある岡本太郎館所蔵のものということもあってでしょうか、写真撮影は自由という、いまどきにしてはおおらかなルールで好印象でした。

しかしこういう作家はもう昭和の好景気時代で終わりで、これからはなかなかこういう人材はでてこないし、こういう美術が広く評価されるようなこともないのかもしれません。クラシック音楽が相変わらずなのと同様、その時代時代が生んだ文化産物ということなのでしょう。

とはいえ、この展覧会の日程の後に、今度は二元展が同じく愛知県美術館で開催されるとのことで、当院の患者さんが毎度出展されており、今度もご招待いただいたので楽しみにしています。長らく芸術を追求されている御仁もちゃんとおられるのです。好きだからこそ続けられるのでしょう。

私の仕事は、というと、いろいろと苦労ばかりが多いような気がしますが、ときとして高評価やお礼の言葉をいただくと大変喜びを感じます。仕事とはそういうものかもしれません。好きだから続いている、というのとはまた違うとは思いますが、施しをして喜ばれるのは何事であろうと嬉しいものです。

個人でクリニックを細々と営業しているのと、豊田厚生病院や大学病院や日赤のように大きな総合病院の職員集団の一員として大々的に仕事をするのと、各々立場は異なりますが、結局は一人が一人を相手する、という原則には変わらないのが本質だと思っています。

病診連携の面においても、時に過大評価して送ったり、逆に過小評価してしまったり、いろいろとあろうかと思いますが、都度都度に勉強しフィードバックしては経験値をアップさせていく作業の積み重ねなんだろうなあと、つくづく思うのです。

 

 

 

 

 

投稿者: 三本木クリニック

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