院長BLOG

2022.11.17更新

高脂血症つまり高コレステロール、中性脂肪血症というのは、動脈内膜にドロドロの脂肪を沈着させて閉塞させる要因となるのですが、それを改善させるために血液中の脂質濃度を低下させる、スタチン製剤やフィブラート製剤に代表される代謝作用薬があります。

それらの薬により、「数値が低いほど予後が改善する」というエビデンスが確立しています。

ただ、実は特に日本人ではそれだけでは役不足であるというケースがあります。実際、比較的若い年齢の体格の良い男性などでは、それらの脂質低下薬により血液検査ではほぼ正常に維持されているにも関わらず、血管内膜の脆弱性は遺残していたという結果、致命的な心筋梗塞を引き起こす事例があるそうです。

老人の場合には、動脈硬化は長年経過して形成されるため、内腔は狭いものの、血管壁の安定性は比較的保たれるということで、古典的な狭心症症状からの心筋梗塞という形になるのが典型的ですが、若年者ではもともと組織がまだ若くて柔らかいところにどんどん脂質プラークが血管内膜に蓄積するため、血管の線維化安定作用が機能しにくいと思われます。

そこで、若い人ほど重要な役割をもつのが、血管内膜のスタビライザーとでもいいましょうか、青魚の油から抽出されたEPA製剤(エイコサペンタエン酸)なのです。

雪に例えるならば、新たに積もってくる雪を降らさないようにするのがスタチンやフィブラートや脂質吸収阻害剤ならば、すでに積もってしまった柔らかい積雪を硬く安定させて雪崩を起こしにくくするのがEPAということになります。

ちなみに、しっかりとした治療成績が確立されているのは高純度のEPA単独製剤のみであり、市販薬や調剤薬である、EPA+DHAの製剤についてはその効果についてのエビデンスははっきりしたものはないままというのが現状です。これは青魚の油を単に濃縮させただけではダメだということを示しています。EPAだけを抽出して、なおかつ高純度に濃縮したものだけが奏功する、ということです。

投稿者: 三本木クリニック

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