水曜日の午後はいろいろと雑用に充てるので、なんだかんだと時間がすぐに終わってしまいます。昨日などは中途半端な時間帯に自分自身の眼科受診などもあったりして、とうとうランニングをする時間がなく終わってしまいました。そして夜には日進おりど病院を会場として、愛知医大肝胆膵内科教授の米田先生による「メタボリックシンドロームとしてのNAFLD/NASH~糖脂質代謝の関与を含めて」という講演があったので出席してきました。
インスリンが内臓脂肪をふやす、脂肪肝を誘発する、という話はすでにメタボ疾患を扱う医師には既知のことですが、糖尿や脂質、脂肪肝といった代謝疾患というのはやはり互いに密接に関連があるわけですね。インスリンをなるべく少なく分泌させる省エネで済ませるためには、糖質をいきなりドーンと摂取するようなことをせずに、最初は野菜とかから食べるとか、満腹中枢に合わせたゆっくり食べをするとかの食べ方対応が重要です。食材でも低インスリン食を意識することも有効です。あと、糖尿病コントロールのためにインスリン投与をされている患者さんは、インスリンそのものを投与しているわけですから必然的に肥満になりやすいです。内臓脂肪ですね。ですので、インスリンはできるなら必要最低限の投与にとどめたいです。自分自身から分泌されるインスリンでない、外部からのインスリンでは、それに対する抗体を発生してしまって、インスリン自体が効果を発揮しなくなることも懸念されます。
NASHとかNAFLDとかいうのは、要するにアルコール摂取してないのになってしまう脂肪肝のことで、欧米ではとくにこの原因つまり過食による肝硬変がかなり肝不全の上位にあがってきているそうです。米国などはマクドナルドとポテトチップの国ですからね、、。
このNASH、治療法はどうか、という話が今回の講演の個人的なトピックで、地味に初めて知ったのですがビタミンEが長期的投与で有効だそうです。また、糖尿病の薬のうち、インスリン抵抗性患者さんに使うチアゾリジン系のものや、SGLT2阻害剤なども有効ということです。チアゾリジン系で注意すべきなのは、浮腫や体重増加のリスクがある点で、そういう意味ではSGLT2阻害剤は問題なく使えます。もう一つ、GLP1作動薬も糖尿病の薬ですが、それは注射剤が主となりますが、これの効き目で特記すべきことは食欲低下作用があることです。これはもう一番直接的な分かりやすい作用ですよね。
梅雨で雨がちな日々が続きますが、粛々と仕事や勉強や運動をしていかねばならない、と、運動をサボる日は反省して、また頑張ろう、と思いながらこの記事を書きました。