院長BLOG

2022.05.16更新

年齢とともに、脳の神経分泌物質の産生は劣化するのは当然しかたないこととして、問題なのは、それが生きがいや生きる力に大いに関与している点です。

目的をもってそれを達成したときの幸福感はセロトニンなどの分泌を高めますが、同時にその後くる枯渇というのもセットになり得ます。

薬物的なアプローチでいうと、抗鬱剤で枯渇を防ぐことはある意味対症療法であって、表面的な症状が改善したからといって、急に服用を中止すると離脱症状が露呈するでしょう。

タバコやアルコールを含めた麻薬的物質についても、それらを喫するときだけ幸福感や高揚感が得られるだけで、その後の枯渇はネガティブに作用します。

だから、こういう多幸感をもたらす物や事というのは、中高年以後の場合には、あまり過激なアップダウンにならないようにすべきかと思います。

神経分泌物質を自発的に培うには、自分なりに心地よいと感じる静かな環境で、「待つ」ということが必要に思います。休む、というのかな。

かといって、もう動けないほどの、よほどの重症か緊急状態でもなければ、ただ寝てるだけ、というのも日頃のストレス解消や気分転換にならない、ということもあるでしょうから、まあ、静かな自然の中に身を置く、というのはいろんな意味で有効かなと思います。

というわけで、私はですね、個人的に一度寝泊まりしたかった場所で、一人の時間を過ごしました。やっぱり灯台は夜見ないとね。実は灯台へのツーリングはひさびさなのでした。

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本当に静かなところでした。たまたま海も本当に静かな日だったんですね。ありがたいことに風も全然吹かないほどの天候でした。何の煮炊きもせず、ただ寝るだけです。到着がなんせ夜7時過ぎでもう暗いから。ヘッドライトなしでは灯台下への山道を歩けません。灯台の光は音もなく一晩中、毎日、健気にスイープし続けているわけです。当然この地を管理維持されている海上保安庁や地元の人たちのおかげもあるわけです。

 

この灯台、何年か前に日帰りで訪れたときには、この灯台への山道途中に本当に小さな畑があって、そこのおばさんと立ち話をしたのが印象に残っているのですが、今回その畑は主不在の荒れ地になってしまっていました。これも時の流れを感じてしまうひとコマ。

この付近の堤防や道端では釣り人が散見され、夜には夜釣りをする人もあるし、早朝からさらに釣り人が増えました。

魚釣りをする人もまた、ただ単に魚を獲ることだけが目的ではなく、自然に身を置くことによる癒しを求めているんだろうなと思いました。

遅いバイクでのんびりこういうところに来るのも頭がすっきりしていいもんです。疲れますけどね。疲れすぎるとまた脳の疲労につながるから、行動はなるべくシンプルにする、というのは一人だからできる利点でもあろうかと思います。

人それぞれ、いろいろな静かな楽しみかたを持っているはずです。

 

投稿者: 三本木クリニック

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