院長BLOG

2021.08.27更新

昨晩は疲労蓄積状態の中、19時から準備開始で19時半から1時間の講演に参加してきました。

以前ブログで紹介した、私が座長を仰せつかった講演会です。ウェブ配信での講演でした。

日進おりど病院の藤田浩史先生による講演で、2演題あり

1.活動期潰瘍性大腸炎の直腸粘膜を寛解に導く5ASA製剤について

2.接触嚥下障害のある症例への最適な代替栄養療法と地域連携の重要性について

というものでした。

1.の潰瘍性大腸炎については、近年増加傾向にあって、クリニックで診療されるケースも増えてきたということで、日進おりど病院でも毎年10名ほど新規患者さんが見つかるということです。

そもそも、この、潰瘍性大腸炎は、たいていが直腸から病変出現し、徐々に口側へ進行していくパターンが殆どだということですが、口から一番遠い直腸病変へ内服治療薬が到達するのにどうやって製剤の改良がなされてきたかということと、服薬コンプライアンスの改善のために、1日1回の服用で済むようになった最新の治療薬についての解説もありました。薬剤の進歩により、無用なステロイド投与の使用をせずに済むようになるわけです。20年前と比べると隔世の感があります。なお、直腸肛門に限局した病変であれば、注腸治療薬もあります。

2.の経口摂取困難な患者さんに対する代替栄養療法の話としては、胃瘻造設術を行う症例が日進おりど病院では年々増加しており、2020年度では50例を超えたということです。当院でも開業以来ずっと特別養護老人ホームの嘱託医をしており、経口摂取ができなくなった患者さんの胃瘻増設を藤田先生に依頼することがときどきあります。また、他院で造設されてから施設に入所され、以後の定期的な交換作業をお願いすることも普通にあります。経管栄養は静脈栄養に比べると利点だらけですが、たとえば静脈栄養だけだとどうしても補給できない微量元素というのがあり、それがクロムだというのですね。よって、一般に、経口摂取ができなくなって、経管栄養ではなくて静脈栄養だけで管理している患者の場合、だいたい3年で死亡するというデータがあるそうです。クロムが枯渇するのがそういうことに関連しているようです。

経管栄養や胃瘻を「無用な延命治療」と断ずる人もあるようですが、それはあくまでも本人や家族が個々で価値を決めるものであって、一律に他人が決めるものでありません。個人的には、意識がちゃんとある患者さんには、経管栄養などの栄養を投与しないでそのまま放置とするのは無慈悲のように思います。年齢や病歴にもよりますけれど。たとえるならば、慢性腎不全で、透析をすれば普通に生きられるのに、それを選択しないようなものです。ただ、なかなかそれも良し悪しを一概には言えませんで、ケースバイケースでいろいろだと思います。いまや良くも悪くもdiversity(多様性)の時代ですからね、、、。

胃瘻の造設やそのカテーテルの入れ替え作業は簡単といえば簡単ですが、それはあくまでもそれに熟達した医師が施術していえることであって、イイカゲンなやり方では死亡事故につながるものです。今後も引き続き安全なクリニカルパスを継続していただければと思います。

なお、最新の話題として、PEG-Jといって、胃瘻から小腸へアクセスするカテーテルについての紹介と、それに伴う月一のカテーテル交換の病診連携についてのお話もありました。胃瘻による経管栄養は大変有効な栄養補給法ですが、ときとして誤嚥性肺炎の原因になり、またはうまく小腸へ栄養物が流れて行ってくれないケースがあります。そういった場合に、このPEG-Jが有効となる、というわけです。デバイスや薬はどんどん進化進歩しているものだと思います。

 

さて、そういったわけですが、、夕方の診療を終えてからこの会が終わり、帰宅した21時まで、夕食はおろか、水すら飲めませんでした。講演された藤田先生も同様だったと思います。主催した製薬メーカーの担当者には今後そういったことについて、配慮していただきたいと思いました。普通、コップ1杯の水くらいは講演中飲めるようにセッティングされるのが一般的ですけどね、、。まあ不慣れな面があったのでしょう。

 

投稿者: 三本木クリニック

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