院長BLOG

2021.04.07更新

伝染性軟属腫も尋常性疣贅も、いわゆるイボとしては治療は似ています。

高学年の学童以上~成人であれば、手術による摘除が最終手段として行なえますが、問題は幼稚園から小学生低学年児の場合です。

大抵はこういう小児の場合、アトピー皮膚、湿疹体質、乾燥肌を背景にもっていて、皮膚表面の免疫が低下しているために、イボウイルスの侵入を許してしまうのです。

そこで、幼児小児の場合、手術をすることはほとんどできないことが多い(患者が怖がるため)ので、なるべく保存的に治療し完治せしめたいわけです。

当院ではまずは漢方内服をお勧めしますが、たとえば一番有効であろうと思われる漢方は、上手に服用できる子とそうでない子がまず最初に真っ二つに分かれます。

漢方でもいろいろあって、一番有効だろうものは苦くて無理だがそうでないタイプのもので免疫改善効果があるもの、なら大丈夫だった、というケースもあります。

たとえば背景にアレルギーや乾燥肌体質があって、という場合には、まず背景皮膚の完治を同時進行で進めます。単なる保湿剤外用だけではたいていダメでして、湿疹部位にはステロイド外用剤、さらに保湿剤を併用し、なおかつたいていは抗ヒスタミン剤の内服が必要です。そこに漢方薬を併用するのです。

たとえば軟属腫のような比較的突出するイボの場合、大きいもの、例えば2ミリ以上あるようなものならばピンセットで摘除できます。ある経験豊富な皮膚科の先生が出された教科書によれば、軟属腫はすべて一括摘除が基本であるなどと記載されていますが、実際には小さくて専用ピンセットでもつまめないようなものや、軟属腫ではないタイプの埋没気味のイボで多発するようなものは、全部つまりとることは不可能です。

そういうケースで、前述のように外用剤、内服治療、漢方治療併用、といったやり方がうまくいくことがあります。漢方では排膿散及湯というものが個人的第一選択ですが、それが無理な場合、補中益気湯で免疫力をアシストしてやると、数か月とか半年とか治療していると、あるとき急に完治することがあります。

免疫機構やベースの皮膚の状態が悪いのにやみくもに摘除だけに依存するのは、うまくいかないこともある、ということです。摘除するにもタイミングがあるのだ、ということを、難治例を経験することで学びました。

また、尋常性疣贅のタイプについては、通常ならばサリチル酸の貼付剤が保存的外用治療として一般的ですし、皮膚科クリニックでは液体窒素が普通でしょうし、内服治療ではヨクイニンつまりハトムギエキスが処方されますが、それでうまくいかないケースがかなり多いのが実際の現実の問題です。当院では液体窒素の代わりに局所麻酔をしたうえでのラジオ波による根治切除を行うことができますが、それはやはり痛みを伴いますので、できれば幼少児には避けたい。となると、最近奏功することが多いのが、ビタミンD外用剤で被覆する方法です。これはサリチル酸貼付剤のスピール膏処置よりも処置としては簡単で自宅でもちろん出来る方法で、なおかつサリチル酸よりも有効な印象をもっています。これまでは保険適応がないのと、知識として知らなかったのでそういう治療をしておりませんでしたが、イボの専門家の記した教科書によれば、そういう手もある、と。それで実際試したところ、いまのところかなり高率で改善完治している印象があります。

当院ではこのような症例を完治する経験を持っています。そして皮膚科だけのアプローチでなく、外科と内科といろいろと駆使しての対応をすることで集学的治療を成しています。

投稿者: 三本木クリニック

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