院長BLOG

2020.07.31更新

主婦湿疹とか手指の皮膚炎、また手のひらの皮膚が荒れてしまって慢性化した症状や、足裏の同様の症状でも慢性化した状態で長年困っている患者さんは案外多いです。

基本は外用剤をいかにこまめに塗布するか、ということになりますし、必要なら被覆処置も推奨されます。

ただ、実際問題として、その程度の治療で治らないから困ってるんですよ、という患者さんが大変多い。

それで当院ではまず外用治療から開始し、それもちゃんと塗布しているのかどうかを確認し、それでも効果が少ない場合には、内服の抗ヒスタミン剤を併用とします。

内服併用療法については、皮膚科専門医の臨床教授の先生からも「安易な内服治療は厳に慎むべきである」という指導をいただいたこともあり、もちろんその趣旨は賛同するものですが、さりとて、治らない事例があることはどうしようもない。

また、ステロイド外用剤に対する誤解と偏見が日本だけどうしても相変わらず残っていて、外用治療をまあ本当に申し訳程度にしか行わない頑固な人も地味に少なくない。

こういうのは、前に進みたいのに自分で足踏みしているようなものですが、一種の宗教みたいなもんで、どうしようもないこともあります。

そういうのはさておいて、真面目に治療をしても、それでもダメな事例はあるのです。それが現実。

それで、安易にというつもりもないですが、塗れ塗れパワハラになってしまってもいけないので、まずは抗ヒスタミン剤内服で併用開始とします。ただ、それでもなかなかという症例もやはりあるわけで、、。

そういう場合にはやはり内服ステロイドを少量併用することが結果的には一番だというのが経験則から言えることです。もちろん結果としてそういう治療を選択するに至った、ということであり、最初からそれありきではありませんので誤解のないように。

海外ではアトピー皮膚炎にステロイド治療をやりすぎて白内障となり後悔したと怒っている人があるというニュースが最近ありましたが、外用ステロイドの適正使用レベルでは白内障を誘発しないことはもう平成初期の時代までに研究がなされて証明されています。ステロイド白内障となるには内服治療を相当の用量で長期服用した場合に限るというのが事実ですし、アトピー皮膚炎の治療を(とくに目の周囲病変に対して)適正にしてこなかった結果として、アトピー性白内障になるということの方があるのだということが、文献としてすでに過去にきちっとしたものがでています。

海外の症例で、どういう治療経過だったのか詳細不明な状態で、十把ひとからげに「ステロイドは悪だ」という風に決めつけるのは非常に害悪です。それは背後にアトピービジネスの気配があるわけです。そこに注意を払うべきでしょう。私はステロイド信奉者ではないですが、適正使用は普通になされるべきという考えです。それはガイドラインを見れば分かることです。

話がアトピーにそれてしまいましたが、難治性の手荒れ、足裏荒れについては、内服治療を併用することが治療への着実な正しき道であることがある、という話です。そして不思議なことに、内服ステロイドは延々と長きに渡り必要ということにはならないことが殆どである、という点も経験則として得ておりますのでそこも安心材料かと思います。

医学は所詮経験学の要素が大きい。そしてもちろんエビデンスとなり、そこに科学的根拠というものが裏付けとしてでてくる。そういうものでしょう。私が開業して良かったと思うこととして、勤務医時代とは2ケタほども差がある症例を経験できるようになったこと、があります。

理論や既知のエビデンスももちろんバックに置きながら、そしてそのエビデンスも最新のものを絶えずアップデートさせながら、さらに自分の経験によるフィードバックも上乗せしていく、というのは一番だと思います。その経験というのは、やはり数をたくさん見る、ということのパワーは非常に大きい。ビッグデータとでもいうのか、そういう強みがあります。

皮ふに関する疾患についてもしかりで、こういう卑近な症例は大学病院のお世話になることは少ないでしょうから結果として大学などにおられる専門の偉い先生でも知らないような事例があることは事実として認めざるを得ないでしょう、そして、たとえば普通の教科書的な対応では治らないものについて、少しだけ経験則を活用して自分なりに対応することも、ときには有効である、ということです。この件については難病である間質性肺炎の治療についても実は自分なりに思うことがあります。それについてはまた機会があればお話ししたいと思います。

 

 

投稿者: 三本木クリニック

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