院長BLOG

2020.07.25更新

京都でALS患者が安楽死を望み、SNSで寄ってきた2人の医師により実行されたという事件が報道されています。

安楽死そのものの議論はいろいろ素人でもされることですからそれはここでは置いといて、、

 

私が思うには、医者になって、最初の10年とかそれくらいはやはり通常の病院で通常の臨床研修をして、通常の医療とはどういうものなのかを体に覚えさせる必要がある、ということです。バランス感覚というやつです。社会人として、です。

医師免許をとったらすぐ事務官になったり、すぐ開業したりすると、まっとうな感覚を培う機会をもたないまま医師年数を重ねることになってしまいます。先輩や上司からいろいろと指導されたり叱られたりして、そして同僚や先輩後輩の症例を見聞きし学んで、そしてさらには学位や専門医を取ったりして、という、通常のプロセスがやはり医師の人格形成のためにどうしても必要だ、ということです。そういうことがなされていないままだったから40歳も過ぎているのに子供じみたことをしてしまった。(追記。うち一人は医師免許を不正取得している疑いもあるという報道もあり)

また、いまどき、防犯カメラやパソコンに残ってしまうことは当然分かるはずだろうのに、ちょっと想像力が欠落していると思ってしまいます。

また、一番問題なのは、患者と主治医の関係性だと思います。

主治医は患者のそういう悩みをちゃんと受け止めて、患者の精神に問題があるようならばそれなりに対応するなりあったはずだと思うのです。

主治医の責任はどうなったのか。それが私が一番言いたいこと。

家族は相談に乗らなかったのか。家族と主治医と相談し、主治医に信頼が持てないなら病院を替わるとか主治医を替わるとか、まだまだやりようがあったと思うんですね。

家族も単純に被害者と言えるのか。ただ単に難病だから家族もやれることなどない、ということで実質的に放置していたのではないか。もういい大人だから、という理屈はこの病気の場合説明がつかないんじゃないか、と、私は思う。

状況が分からないのに外野があれこれコメントするのはよろしくないのは重々承知ですが、それでも、、主治医は一体なにをしていたのか。という疑念は払しょくできない。

「これ以上何もできないんだから仕方がない。患者さんの苦悩を聴いたところでやれることもないから」といって、逃げていたということはないか。

自分がその患者さんの診療に対してキャパが無いのであれば、しかるべきところへ紹介するなりすればいいのですが、それはしなかった。からこういうことになったということはないだろうか。

そこが一番気になりました。ただ、こういう事件については、外野があれこれ言えない状況があろうので、この程度にしておきます。

投稿者: 三本木クリニック

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