院長BLOG

2020.07.22更新

昨夜は2件の研究会を視聴しました。ウェブでのものです。

1つは東大の腎臓内科教授の南学先生による、腎性貧血の新しい薬に関するもの。これまで腎性貧血にはそれ専用の造血注射剤があったのですが、今回の新薬は内服薬で造血効果があるものの紹介です。今後、当院のような末端の診療所でもそういう処方をすることになろうかと思いますが、とりあえずは安全性など、専門施設でのデータの蓄積を待ちたいと思います。

2件目はレーザー治療に関するもの。先週にも同じテーマで視聴しましたが、それにつづいて2回目の講演。内容は太田母斑に対するレーザー治療です。今回はこれについてが一番聴講したかった内容。

当院でも症例を限定選択して太田母斑や後天性真皮メラノサイトーシスや扁平母斑に対するレーザー治療を行なっています。この3つの症例のうち、太田母斑と扁平母斑は保険適応があります。

扁平母斑は難治性であり、保険は2回までしか適応がありません。一方、太田母斑は、当院のレーザーの場合、何度でも保険適応が使えるということです。これまで太田母斑については一般的にいって、大体平均5,6回の治療回数で完治するという知見が得られているため、当院でも保険適応となる回数を5回と決めて対応しておりましたが、これからは6回以上でも症状があれば対応できることが分かりましたので運用していきたいと思います。ただ、今回の講義では、だいたい6回程度で完治するという風に説明がありました。それはまあ過去の文献的にも同様ということですね。

照射の仕方ですが、濃い病変には弱めのパワーで、薄まってきたら強めにする、というやり方が基本であって、また、色あいによっても、茶色の場合には効き目が顕著で3回程度の治療で完結するが、青色の成分が多いタイプなら7回程度と回数が多くなるようです。また青色のケースは最初の2,3回は効果が分かりにくいのが特徴です。そこで「なんだ効かないじゃん」と早合点しないことが大事です。

レーザーを当てると半数程度の確率で一過性炎症後色素沈着が生じます。その場合、その所見が消えるまで、次の治療はなるべく見合わせる、延期することが必要です。さもないと無駄な照射となるばかりか、色素脱失のリスクが高まるのです。とはいえ当院のレーザーはアレキサンドライトタイプなので、そのリスクは少ないほうです。ルビーレーザータイプだとリスクが高いそうです。そしてルビーは太田母斑への保険適応回数が制限されています。これは副作用を考慮しての設定と思われます。

また今回初めて知った知識としてレーザー後の炎症後紅斑に注意、という話。これはレーザー後に一見炎症後色素沈着と思われる所見がでることがあるが、それは硝子圧迫法でよく見てみると単なる炎症後の紅斑であることがあるというものです。その場合、慌てずに時間を待って、その所見が自然寛解するのを待つべし、というのですね。この知識は今後の診療に生かしたいと思います。ただ、当院では太田母斑の治療はさほど行なっていないこともあり(特にこの反応が出やすい小児は他院専門クリニックへ紹介していますので)、照射後炎症後紅斑の経験はありませんけども。

今回得られた点は、照射のパラメータ、照射間隔の決定因子・所見、完治までの回数見通し、治療による副作用の回避、といった知識です。

太田母斑に対するレーザー治療については、東大形成外科准教授の河野先生による講演でした。

これを機に、当院でも太田母斑(成人)の治療、ことに保険治療ですが、積極的に実施していこうと思います。当院のレーザーでは少なくとも愛知県では治療回数に制限なく保険適応がある、ということに意を強くした次第です。

 

投稿者: 三本木クリニック

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