今回当院に導入した爪白癬(爪水虫)のレーザー治療器、Lunula(ルニュラ)レーザー。
当院で一番処方している外用剤のクレナフィンとの費用比較をしてみましょう。
通常1照射あたり税込11000円の4回照射で44000円となるところを、現在、臨床試験モニター価格として行なっておりますので、レーザーでは4回の治療で完結し、その総額は税込35200円です(片足につき)。
一方クレナフィンは毎月1本ずつとして最低でも1年かかることが多いので、仮に1年の治療で終わったとすると約50000円(月一の通院として保険治療で3割負担で計算)です。
クレナフィンは半年で完結することが理想的とはされていますが、実際には1年後の完治率は20%弱(17,8%)です。これは薬事承認時の臨床試験の第三相比較試験によるものです。たしかに1年で完治するというケースはそれくらいという印象が実地でも感じます。
一方、まだこれからの治療ではありますが、米国での139人の臨床試験においてルニュラレーザーでは、4回の治療を終えて病変部は1年後に平均値で96%減少という結果が認められております。
ちなみに、クレナフィンは爪水虫の治療薬ですが、多少の副作用がでることがあり(9.2%に皮膚炎など)、かつ、他の病変には当然ながら無効です。
反してレーザーでは爪白癬のほか、爪の外傷、足などの皮膚の白癬、脆弱爪にも有効です。治療期間は4回の治療を毎週やったならば1か月で完結します。
さらに他の治療薬との比較としては、最近出て来た内服治療薬のネイリンというのがあり、当院ではまだ副作用の面で懸念があり処方開始を見合わせておりますが、その場合、12週間の治療で約27000円となります。値段だけみればこれが良いのではないかと思いますが、効果については48週後の完治率は59%ということです。(2023年8月1日現在追記:2023年現在で、爪白癬治療ガイドラインでは、ネイリンの内服治療は推奨度第一位になっており、当院でも基本的にこちらをまずはお勧めすることにしております)