院長BLOG

2020.05.23更新

精神科の領域の話となりますが、、

当院にも他院で心身症で通院治療中という患者さんがときどき来られます。

大量に向精神薬を処方されている人、漢方薬を主体として対応されている人、睡眠剤主体、抗不安剤主体、抗鬱剤とのミックス、などいろいろのパターンがあるようです。もちろん病状によります。

精神科、心療内科の先生でもかなりマチマチであるものだとも思います。

ベンゾジアゼピン系の抗不安剤や眠剤について、日本だけが規制が遅れているためこれからはそれらをどんどん淘汰排除していこうという動きがあり、それについては基本的に反対するものではありませんが、ただ、ですね、、

ベンゾジアゼピン系のきついやつでないものについては、依存性の高いものやどんどん増量したくなるようなものでなければ、必ずしもいきなりすべてゼロにするというのはいかがなものかなあと思うことはあります。

というのも、私なりにこれらの薬をどう使うのか、ということについて、最近になってようやく固まってきたのですね。

一言で言うと、

1.脳神経伝達物質の浪費を抑えるのが抗不安薬である

2.浪費されすぎて枯渇してしまったのがウツ状態であり、その際に、脳神経物質を賦活させたり代謝消失をブロックして枯渇状態を脱するようにしむけるのが抗鬱剤である

 

というものです。

ですので、ときどき他院で抗不安薬と抗鬱剤が同時に処方されているケースがあるのも、ある程度はうなづけるものです。ただこの2種類の併用はおそらくは一時的な必要性にとどまるのではないかということは、実地臨床の経験からも、上記の機序というか概念説明からも理解できます。

ウツ病にまで至らないけれども、いろいろと無駄に考え事をして悩んでしまっていて、浪費してしまうんですね。脳の物質を。そういうときには浪費を抑えるということ。漢方では抑肝散などですし、軽度のベンゾジアゼピン系のものがそれに相当します。

考えすぎて眠れない場合には、眠剤としての調整がされたベンゾジアゼピン系の薬剤、というのが従来のパターンですが、いまは規制が必要ということで、数種類だけとはなりますが、現状で処方しても差支えないタイプのものを処方します。でもたいていそれでも眠れるようになります。

完全に枯渇してしまっていて、さすがにとなれば、それは抗鬱剤の登場となりますが、私の経験では少量でも効きます。私の先輩が書いた教科書では、抗鬱剤が不十分で治療がうまくいかないケースが多いとされていますが、もちろんそういう症例もあるでしょうけども、そうでもないことが当院での治療ではほとんどです。それはなぜかというと、一つは面談の雰囲気、そしてもう一つは当院に来られる患者さんは比較的軽症だから、ということでしょう。私が診てさすがにこれは無理だという患者さんは即座に専門医に紹介しますので。

とはいえ、ウツなどの精神疾患はいきなり重症になるわけではないのですから、早めのうちにそれとなく対処しておればたいていは大丈夫かと自負しています。

隠れナンチャラとかいう用語は好きではないのですが、隠れウツ、つまり仮面うつ病ですね、そういうケースもたまに当院でも経験します。胸が苦しいような、あちこちが痛くて困る、とかそういうもので、いろいろ精密検査をしても異常なしで、結局向精神薬を少々処方したらたちまちよくなったというケースがあります。

心身症としての一つには、食事がとれないとかそういうのもありましょうけれどもね、ただ、、摂食障害については、通院してくれるならば対応改善できると思うのですが、頑固かつ気まぐれな患者さんでは通院しなくなることがあり、そういうのは当院では無理かなと思います。専門医に紹介します。ただ、紹介してもなお、先方に受診してくれないというケースがあり、それは厳しいです。家族の助けを借りるしかないですね。

当院はあくまでもプライマリケアに比重をおいた地域診療所です。無理に固執しないようになるべく対応すべしと、ことあるごとに戒めています。ついつい頑張りすぎてしまうこともありますが、、そこはまだまだ精進です。ただ一つ問題なのは、専門医へ紹介しても、その先生によっては、ケンもホロロということもありますからね、、、。結局こちらで診ることに、ということも時々はあります。

投稿者: 三本木クリニック

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