当院での日帰り手術のうち、肛門手術については、いろいろ考えるとこれまでに紹介していないことで追加しておくべき良い特徴がいくつかあります。
まず、診察のときですが、左側臥位でおしりだけを診る体位となりますので恥ずかしさが最小限です。こだわりの強い専門施設ではしゃがんだ状態の怒責位という体位で肛門を診察することもあるそうですが自分が患者だったらちょっとあり得ないことだと思います。
肛門単科クリニックでないので、待合室周囲みな肛門患者か、という変な感じを味わずに済みます。
術前検査や術前処方などは極力省略しており、よほどの持病がないことにはそこで費用負担が増えることはありません。
手術はいずれも短期作用型の睡眠剤を使用するため、眠っているうちに終わることがほとんどです。
日帰りで、かつ、一日入院とかですらもないので、費用が一番安い点数しか請求できません。麻酔方法も特殊な麻酔器を使用することもないので、麻酔器使用費もありません。ゆえに、たとえば生命保険の申請を後日すると、還付金でおつりがくることでしょう。これは鼠径ヘルニア手術でも同様です。
肛門手術については、後日、他の外科医が見ても手術瘢痕が分からないようなきれいな仕上がりを常に目指しています。
手術時も診察時にも、患部を診るのは医師1人、私だけです。手術時には看護師は外回りに1人だけですので、最少人数かつ短時間で行いますので恥ずかしさが少ないはずです。
手術体位については、専用の紙パンツに履き替えたのち、肛門手術の場合にはうつ伏せで、閉脚して行います。一般的な肛門専門病院やクリニックでの手術ではジャックナイフ体位という、うつ伏せの開脚状態で行うことが多いと思いますが、それもちょっと抵抗感があるでしょうから当院ではフラットの状態で閉脚で行います。お尻をテープで固定します。
以上のような長所があります。当院では内科を主体としています。夕方の診療もありますし、往診の仕事もありますので、肛門や鼡径ヘルニア根治術の手術枠は週に3件までしか設定できません。また、その枠を必ずしも埋めることに特に尽力している訳でもありませんが、結果的に大体順番に埋まっています。このように、なるべく気軽に、日帰り手術を、しかもちゃんと美しく機能を損ねずにやってほしい、という患者さんのニーズがあれば、社会貢献としてこれからも続けようと思っています。