院長BLOG

2020.01.20更新

川村則行先生という方が書かれた、うつ病は田んぼ理論で治る、という本を読みました。

これ、うつ病の治療に携わる医師だけでなく、実際、自分がウツかなと思うような人や、うつ病で治療をしている患者さん、そしてその家族の方にとっても大変勉強になる、また非常に読みやすい文章の本です。

現代人は、特に現代の日本は、一部の有名テレビタレントや特殊な仕事地位にある人を除いてほとんどの人々は薄利多売で生きている経済状況かと思います。消費税が上がって、当院でもそうですが、物価が上がったのも事実ですが、それにより利益が上がるかというとそうでもない。消費税増税による経済効果はあくまでも公共事業や財の公的放出により徐々になされて効果がでてくるのかもしれませんが、通常の資本主義経済社会ではそうはいきません。

必死にヘトヘトに働いて、そしてゆっくりとする時間などなかなかとれない、睡眠も休養も短いという人は大変多いのではないでしょうか。体力がないと途端にその平衡は破たんするのです。

一般的典型的なうつ病というのは、大体が過労の蓄積によるものです。体力というのは肉体的な素因であり、鍛えられる部分もあるでしょうが、そうでない部分も大変に多いので、その人なりのキャパがどうしてもあって、同じことをしていても、頭脳的にも精神的にも肉体的にも耐えれる人とそうでない人と、個人差がでるのは致し方ないことです。

そういった状況のなか、潜在的なうつ病を抱えている現代人は、顕在的うつ病の患者さん含めて実は相当多いのではないかと推察しています。今回読んだ本では、養生する大切さ、そして、診断の正確さの裏付けに必要な客観的検査の提案、また、治療を田んぼの四季ごとの変化に例えてじっくりつきあうことの重要さなどが明快に示されていました。

私も昨年50歳となり、ここ数年、とくに2年ほどかな、急激な老化を実感しております。多分女性でいうところの更年期のような感覚かもしれません。女性は男などとは比較にならないほどに劇的な変化を受けてしまうので本当に大変だと思いますが、男性でもこういうことはあるんだなあと、自分の心身でもって体感している次第です。

認知症や肉体的疾患、そしてもともと脳の器質的異常を抱えて生きてきた人など、何かしら体に障害があると、精神的に落ち込みやすい、うつ状態になりやすいというのはどうしてもあるようです。老化とウツ、というのはそういう観点からいえば誰しも経験しうるものであって、死ぬ直前までバリバリ元気な人を除けばほとんどすべての人がこういう可能性をいずれ持っていると言えると思います。

私個人のことでいえば、これからの人生はスピリチュアルな分野に自己研究を費やしていくことになっていくだろうと薄々感じていますが、それも老化がなせる自然な流れなのかなと思います。

日本のどこかでは今回の著者の先生のような名医が居らっしゃるのだなあと、そして自分が知らないだけで実は他にも名医はたくさんおられることでしょう。自分自身が特殊な技能は何もなく、名医というより迷医ですので、うつ的なタメ息がでてしまう思いではありますが、自分が扱う診療においては最低限標準レベル以上の質を維持して提供していきたいと、日々意識しています。所詮凡人ですからね、、残念ながら、、大多数の医者となんら変わりません。こまごまと学習することでなんとか維持する以外ありません。

投稿者: 三本木クリニック

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