院長BLOG

2020.01.20更新

先週末土曜日は医師会主催の講演会に参加しました。

喫煙が原因であるCOPD(閉塞性肺疾患)による呼吸障害を緩和する吸入剤で、喘息の症状を伴うような場合に、喘息の治療薬と肺気腫の治療薬の合剤となった製剤が発売されているということで、これならば、従来2種類の吸入剤をおのおの使用しなければならなかったところを、1種類でまかなえる、というわけです。

そもそも、肺気腫と喘息とは似て非なりというところがあって、もちろん病態的にも予後としても別個の疾患ではあるものの、症状が似ているので、実際に患者さんの症状を緩和する、もしくは肺気腫の増悪進行を少しでも遅くする、遅らせるという効果があるこういう治療は実地臨床ではしばしば行われているところですし、当院でもそういう処方をしている患者さんはおられます。

薬剤の進歩は日進月歩で素晴らしいものがあり、いままでは何種類、何回も、というところだったのがだんだんと集約されて服薬回数や手間が省ける方向に進化していきますね。

ちなみに、肺気腫は長年のタバコの影響で、肺胞が非常にもろくなってしまう病気ですが、長年の影響というのは恐ろしいもので、当然禁煙はしなければならないし、喫煙しつづけるということは肺胞の破壊を助長悪化させることに直結するのですが、一旦肺胞が破壊されはじめると、禁煙をしたとしても、物理的な圧外傷により、ただ単に日々呼吸や咳やくしゃみをするというだけでも徐々に肺胞は破壊されつづける下り坂は止まらないというのです。それで禁煙をすることがまずこの下り坂の勾配を軽減することに必須ですし、禁煙だけでも不足であって、肺胞に負担をかけないようにする吸入薬などをはじめとする諸々の治療によってもさらに勾配を軽減させる必要があるのです。

これまで私の患者さんでも、禁煙してずいぶん経過しているのに肺気腫の呼吸障害が進行しつづけた症例がありましたが、それはそういうことだったのだと合点がいきました。人間の体はある一定のところまでは相当にガマンが利くのですが、クリティカルポイントというか、ある一線を越えてしまうと進行悪化のスパイラルが止まらなくなってしまう、ということはさまざまな疾患で見られることです。

喘息もちの人で、なおかつ喫煙する人はいまだにおられますが、それは最悪なことと言えましょう。人間は理論的に予測をすることができる唯一の生き物ですが、タバコは明らかに肺に悪いと分かっていても、なおかつやめられないケースも決して少なくないのは、根本的に別の理由があるのでしょうか、ね、、。

いつも悩ましく思うことですが、脳卒中や心筋梗塞、そして今回勉強したような肺気腫もそうですが、後戻りできない重症の病状になるまえに適正な治療をする、ということが、健康ブームがずっと続いている日本においても相変わらずなかなかなされていない人たちが少なくないことにため息がでてしまいます。それもまた人間なり、ということか、、。

投稿者: 三本木クリニック

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