院長BLOG

2019.11.20更新

まだ11月ですが、最近は寒くなってきましたので、早くもインフルエンザ流行の兆しがでてきたという報道がありました。管轄の瀬戸保健所からも、集団かぜ、と称して、実際にはインフルエンザのことでしょうが、流行し始めたと発表がありました。

当院でも、どうか?というと、当院は地域柄、流行は遅く始まり、収束は早く、という、一種優秀なところではありますが、短期的に集中する傾向はありますので、これからの時期、要注意です。

インフルエンザの診断の問題点は、最初は熱がなくとも、その後発熱を来たして、実はインフルだったということがありまして、でも発熱後6時間程度経過してからでないと簡易的検査(あの痛い検査ですが)にはひっかからない弱点があります。いずれは超初期つまり発熱する前に検出できる時代がくるとは思いますが、現時点ではまだそこまで早期診断ができませんので、当面はいままで通りの方針となります。

インフルエンザの診断が下されて、特効薬を処方するのですが、文献によればインフル薬は半日か1日程度の発熱期間の短縮効果にすぎないという意見もあります。だからどうだということもありませんが、罹患している本人からすれば、半日でも1日でも早く症状が楽になれば、薬を使う意義はありますね。また、抗インフルエンザ薬は、小児では異常行動などのリスクがあり注意しながら使用する必要がありますが、たとえばインフルエンザ肺炎や脳炎といった重症の合併症を防ぐ意義はさすがにありますし、むしろこの薬を用いる目的はそこにこそあるので、重篤な合併症の頻度は稀であるとはいえども、治療の意味は充分あるといえるでしょう。

大規模な臨床試験の弱点は、大まかなことしか言えない、ということです。表面的に見れば発熱期間の軽度短縮という結果しかないかも知れませんが、頻度の少ないながらも重症合併症をふせぐ意義についてはさほど規模の大きくない、でも一応大規模とされる臨床試験では統計学的にその意義は有意差がでないため、こういうメリットについての議論がなしに終わってしまいます。

論文的エビデンスだけで物事を語る欠点がまさにここにあるわけです。常識的に考えれば当然治療すべき、ということになるのに、なんだ、たんに熱の持続時間がちょっと短くなるだけか、と早合点することが、そこそこ危険な考えであることが、医師は注意しなければならないということです。論文バカとはそういうことです。

いずれにしましても、最初は普通の風邪かなと診断されても、その後高熱がでて、何時間か経過したならば、一応インフルの検査を受けるように再受診することは有意義であるということです。

投稿者: 三本木クリニック

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