院長BLOG

2019.09.06更新

昨夜は比較的少人数の参加者でしたが、心臓疾患、血管閉塞疾患についてのインターベンションの話や、超高齢者における心不全の特徴とその治療についての講演会に参加してきました。

心筋梗塞や狭心症においてはいまや持続型の薬剤溶出性のステントや、薬剤を持続的に作用させられる拡張バルーンカテーテルがあり、その薬剤は腫瘍学の領域では抗がん剤であるパクリタキセルなんですね。

それがどうして心筋梗塞狭心症の冠動脈の開存に役立つかというと、血管内皮細胞の過剰増殖を抑えるというのですね。炎症があるところは過剰に再生機構が働くのでしょう、それが却って血管閉塞を来たすわけで、それを抑えるということです。ステントに薬剤をのっけるというのは理解できますがいまではステントレスのバルーンでも薬剤を患部に留置させることができる時代になったのですね。

また近年では、昔一時廃れてしまった、血管のアテロームを削り取ることができるカテーテルが再開発され発売再開されているそうで、それは第一線の最先端でインターベンション治療をしている施設やドクターによってなされる高難度の手技のようです。一歩間違えたら血管を損傷させてしまいますから、おそらく血管内エコーなどをガイドにしながら安全性を確保するのでしょう。

狭い血管内の領域で、細かい血管内血圧のマッピング技術も発達して、それにより、単純に見た目の細さだけではない血流不全の有無の確認をすることができ、より効果的な血管治療に役立てている話など、最新の話をいろいろ聞くことができました。四肢の血管の閉塞性血管炎の治療においても、バイパス手術ができない症例で、普通なら切断となってしまうところを、カテーテル治療でなんとか治療せしめる話などは、施術するドクターの根性と執念を感じました。アンギオ手技で10時間とか8時間とかやるんですから、患者の麻酔とかはどうやってるんだと、当然鎮静か全身麻酔かを併用してるのだろうかなど、いろいろ思いをはせることになりました。

まあ、一般的な治療と、難易度の高い超専門的な治療とは、セパレートして扱わなければならないし、施設や医師も違いますから、世の中スーパードクターばかりでも困るので、いろいろ分担すればよいのです。

 

超高齢者の心不全については循環器の講演で必ず聞く言葉でHFpEFというのがあります。heart failure with preseved ejection fractionの略ですが、心臓拍出機能は保たれているのに心不全状態、というものです。

これは長年の高血圧が原因のひとつらしいですが、詳細な病態病因は不明なようです。高齢者に多く、左心室の拡張不全、心肥大、線維硬化、ということです。。そしてこのタイプの心不全に根本的に有効な薬はない、というんですね。ふつうの心不全に良く使われる、心負荷を軽減させるβブロッカーすらも効果が得られないとのこと昨夜の講演では述べられてました。

まあせいぜい利尿剤をどう駆使するか、ということになります。近年では利尿剤もいろいろ新しいものがでてきていますので、新薬による期待もされているところです。

超高齢者といえば私もかれこれ10年にわたり、80名収容の特別養護老人ホームの嘱託医をずっと一人で担っており、そこでは超高齢者ばかりです。当然末期腎不全や末期心不全の患者さんもそこそこおられますが、皆さん透析や入院にいたらずに長生きしてもらっています。老年医学というのもなかなか難しいのですよ、実際のところは。超高齢者になると家族ももう大病院への紹介や検査や面倒くさいことや侵襲的な医療を望まれないので、その状況でもなんとかコントロールしなければならないんです。年に1度くらいしか面会に来ないような家族でも、状態が良くコントロールされていてもなお、治療にケチをつけてくることもありますから。やりすぎもいけないし、悪くさせてもいけないし、家族の協力は得られないし、社会的な要素もあって、難しい面があります。老年医学は、医者のバランス力を鍛えるには良い対象かもしれませんね。いまの日本、少子高齢化のプロポーションにおいて。

まあいろいろありますが、こういう研究会に参加することは、必ず新しい知識に出会えることでもありますので、体力的にはきついですが、なるべく参加していきたいと思います。

投稿者: 三本木クリニック

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