院長BLOG

2019.09.04更新

昨夜は画期的な話を聞きに行ってきました。

名市大の新任教授(整形外科)の村上先生による講演で、いまのところ、この先生しか扱ってない術式だそうですが、例えば腎細胞がんや甲状腺がんによる、限局性の脊椎骨転移に対して、一塊に腫瘍巣を含む椎骨を根治切除することで、実に長期生存が得られることも少なくないという話。

Total en bloc spondylectomy (TES)という術式です。

例えば腎細胞がんでは、骨に転移しやすいものの、放射線治療が無効です。で、従来の整形外科や脳外科の手術では癌を撒き散らかす手術しかなかったのですが、金沢医大で技術を学んだ村上先生は、癌を含む骨をひと塊で根治的切除することにより、癌を撒き散らかすことなく完全切除する、そして骨転移による運動麻痺を治癒するのみならず、癌の余命すらも有意に延長させることに成功しています。

他にも甲状腺がん、乳がん、肺がんなど、適応となる症例は限られるものの、すばらしい成績をおさめているようです。

この先生の講演、なにしろパワーがスゴイ。いずれ名市大から世界中に有名となることでしょう。

さて、この術式にはさらに発展進化があり、近年では、切除した癌の骨を、液体窒素に入れて、癌細胞を死滅させたのち、また元の場所に金属の鋳型とともに戻すことによって、骨の再生を促し、それによって体を支える機能が保持され、なおかつ、以前は腸骨から正常の骨を採取して移植していた手間も省け、さらにさらに、その、癌細胞を死滅させた骨には実は癌の免疫機能タンパクは残っており、それを戻してやることによって、腫瘍免疫が発動して、別の臓器の転移巣にまで勝手に抗癌効果が波及してくれるという、凄い治療に至っているそうです。こういうのをアブスコパル効果というのですが、もとは放射線治療の領域での概念らしいですが、それを免疫治療でやってしまったんですね。

腫瘍凍結免疫、というそうです。

さらにこれに例のオプジーボを組み合わせるとものすごい効果があることがすでに動物実験ながら確認されているそうで、大したものです。

事前に下半身が完全にマヒしてしまって、かつ余命半年とか言われた患者さんが、この手術を受けて、術後杖もなしで歩けるようになって、なおかつ、5年以上生きる例も稀ではないというのですから驚きます。

この術式、テレビドラマでも紹介されたそうです。女外科医のドラマで。

良い仕事、世界でも誰もやっていない仕事をするというのは素晴らしいことです。それが人の命やクオリティを劇的に改善延長させるとなればとんでもない感動です。

 

投稿者: 三本木クリニック

  • まずはお気軽に
    当院へご相談ください
    内科/小児科/肛門科/外科/形成外科/皮膚科/美容
  • common_tel.png