院長BLOG

2019.06.24更新

土曜の午後は2時間半という長さの講習、漢方講座を聴講しました。

漢方は開業医が取り扱うことが多いためでしょう、参加者はそれらしい人たちが殆どだと見受けられました。

このところセミナーや講演会が多くて、さすがにハードでした。日常の業務に支障を来たさないようにする程度にしてはいますが、疲れすぎないようにすることは職業人としては重要なことです。

食べ過ぎ、飲みすぎ、疲労しすぎ、は血圧の上昇を招きます。2019年の高血圧治療ガイドラインでは正常値が120の80未満、という血圧値が設定されています。130の80未満でもギリギリ正常、という扱いなのです。

血圧は体調の反映でもあり、生活習慣の反映でもあります。日々変わります。先ほど何を飲み食いしたか、いまの体重と運動の状況はどうか、昨日の飲食の影響など、長期短期的な影響により簡単に上下変動します。この意識が大事なのですね。

私もそうですが、家族歴がある場合にはよりリスクがあると認識して毎日を過ごさなければならないです。現状、例えば今朝の私は正常血圧ですが、ちょっと暴飲暴食したり運動不足や体重増加によって、容易に要治療状態の血圧になります。

さて、漢方セミナーですが、今回は漢方の大家である秋葉先生による、漢方の多々ある種類を構成ユニットで分類し、それらの特性、各々の漢方薬の共通点や応用といったところへまで発展した解説でした。かなりレベルの高い話で、なかなか理解、というか、覚えるのは無理だろうと思われる内容でしたが、それでもザルで水をくむが如しで、わずかながらでも残ればいいかと気軽に受けたセミナーでした。

その中で思ったことは、過去現在に漢方の大家や専門家は多々あれど、どうも私が思うには、その先生先生によって、かなり、または全然方剤の選択の仕方が異なる、ということです。誰それはこの薬をよく使うが別の先生は全く使わない、といったようなことです。

これはどういうことか、というと、答えはありませんが、私が思うには、漢方というのは、よほど合わない選択をしなければ、かなり融通性の高い薬ではないか、ということです。したがって、大体の方向性が間違っていなければ、実際に使ってみて反応を見るというスタンスで良いのではないか、ということです。理論や漢方診察診断法もありますが、それを大きく外さないでおけば、直感的な選択でもあながち間違っていない、ということです。もちろんめくら滅法ではいけませんので、基本的なルールには当然則るにせよ、です。

例えば、五苓散という薬と二陳湯という薬があります。どちらも悪心嘔吐、水毒に処方する薬です。私は二陳湯を使用したことがありません。今回初めてこの二陳湯の解説を聞きました。で、どう使い分けるかというと、二陳湯は精神的要素がベースに少しからんでいる場合に五苓散よりも選択する順位が上がる、という微妙な違いのようです。

また、二朮湯という薬があります。一般的には五十肩に使用する薬です。保険適応病名は肩関節周囲炎の1つだけです。しかしこれは上肢に限らず、下肢においても使用価値があり、だるい、浮腫を伴う四肢いずれかのしびれ痛み、という病態に使用します。オウゴンという成分が入っているため肝障害の副作用が出得るので長期投与には注意を要するという特徴があります。

漢方はほとんどの種類が安価な薬で、億単位で費用がかかる大規模臨床試験を行うことが不可能です。それゆえに、保険診療で扱えるようになった際、かなりアバウトな保険レセプト病名が割り当てられたのだという歴史があるそうで、それゆえに実際に使用目標とする病態病名と、その効能とが必ずしも一致しないことも普通に多々ある、というのですね。よって、安価ゆえに、ほとんどの漢方薬は1種類だけであれば、病名については免除されるという不文律もあるそうです。漢方が保険で処方できる、しかも安価で、というのはおそらく日本だけの素晴らしい制度だと思います。医療というのは基本的に水道や電気などのようにインフラ事業といっても良いので、薬の値段にあまりにも高額な設定をすることは社会保障の面からいって、不適切だと思います(昨今異様に高額な抗がん剤などが保険適応となっていることへの批判です)。そういう意味でも、また、比較的気軽に試す寛容性を持っているという意味でも、漢方というのは尊敬に値するお薬だと思いますね。そしてそれを今後も勉強しながら使い続けよう、と思うのです。また、漢方を安く提供するポリシーを貫く、漢方薬メーカーの社会貢献にも敬意を覚えるにまで思いが至るのです。

投稿者: 三本木クリニック

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