院長BLOG

2019.04.08更新

日本で安定剤とか睡眠導入剤とかいわれているもののほとんどはベンゾジアゼピン系といわれるものです。

本来の睡眠薬とされるものは現状では2種類しかありません。またそれはベンゾジアゼピン系に比べると眠らせる力はどうしても弱いものとなります。ただし漢方にも良い薬がありますが今回は漢方についてはとりあえず除外しておきます。西洋医薬の中でどうか、ということを話します。

 

先週末土曜日の医師会講習会において、睡眠剤は今後処方できない、しない方向で進めていかねばならない、という話を聴講しました。

ややこしいですが、ここからは睡眠剤、安定剤、という言葉は、これまでふつうに処方されてきた、ベンゾジアゼピン系の薬剤のことを指すことにします。

名古屋市立大学睡眠医療センター長兼准教授の中山先生による講義だったのですが、これまで日本でふつうに処方されてきた安定剤とか眠剤とかは、その依存性や悪影響性がタバコやアルコールと同じレベルであって、ほとんど麻薬として認識すべきものである、というのが主たる内容でした。

ハルシオンについてはその麻薬性から、アングラ社会では高価で売買されているということで、眠剤の中では最も処方してはならないものである、と。これについては私も殆ど処方することはありませんが、今後は一切処方しないことにしようと思います。

ハルシオンだけではなく、他の同様のベンゾジアゼピン系についても似たようなものであり、徐々に減薬または代替薬にしていく必要があります。現状で、一応非ベンゾジアゼピン系とされているものはアモバン、マイスリー、ルネスタといったものだそうですが、あくまでも便宜上そう分類されているだけのことであって、結局はベンゾジアゼピン系と同じ類という扱いになっていくだろうということです。そして、冒頭に記したように、本当の意味での睡眠剤というもの、つまり、安全性が高いもので、自然なる睡眠を得ることを主たる目的とする薬剤は、メラトニン製剤であるロゼレムか、オレキシン拮抗薬であるベルソムラの2種類、となります。メラトニン製剤は市販薬でもあるほどですが、これは基本的に時差ボケの治療薬とするようなものだということで、今後はオレキシン拮抗薬が、本来の睡眠薬の主役となるであろう、ということです。

 

睡眠障害についてはなかなかツライものがありますが、これについては睡眠に関する生活指導療法というものが非常に有効ということで、それらについては今回の講義で学んだことをフィードバックしていこうと思います(教科書も購入しました)。睡眠生活指導(専門的には睡眠衛生指導という)は、例えば、夕寝でなく昼寝にするべし(15時までに終わらせる)、とか、睡眠日誌をつける、とか、夕食後の散歩、とか、眠くならないなら眠くなったと感じるまで床に入らないようにする、とか、スマホやテレビを見ない、とか、いろいろあるようです。

いずれにせよ、デパスなどの安定剤(眠剤としても使用したりしている)が世界中で日本だけが突出して大量に処方されている現状は、世界的な視点に立てば、麻薬を処方しまくっているのと同等だというふうにとらえられているのだ、というのが本当のところなのだというのですね。これはゆゆしきことであって、芸能人がコカインや大麻をやっていて非難することができないのだと、医者自身が麻薬を処方していてどうするんだよ、という認識を眠剤に対してもたねばならない時代が、とっくの昔から実は来ていたのだということでした。

そういうことで、日本では今年度から、睡眠剤を安易に処方することは診療報酬の減点という罰則を受けることになります。ゆえに、当院ではこのことを受け、以後は徐々に処方量を減らしていくことにしたいと思います。その代り、漢方薬を併用したり、先述したような安全性の高いオレキシン拮抗剤であるベルソムラに移行させたりすることで対応したいと思います。

まあ、実際、睡眠剤は離脱症状を2週間なり乗り越えれば、タバコをやめるのと同じようなもので、やめれるもんです。あとは睡眠衛生指導で対応すればよろしい、となります。

保険で処方できないとなると、悪い医者だと自費で処方しまくってしまう、という輩もでてくるかも知れませんが、それは悪魔的な所業ですので、あくまでも正しい倫理を意識して診療方針を決めたいものです。

投稿者: 三本木クリニック

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