院長BLOG

2019.02.12更新

先週末は研究会が2件あり、2件目が尿酸とか痛風の話でした。

とくに興味を持って聴講したのが、「関節エコーによる痛風関節炎の診断」というテーマで、実演があったため、よりよく理解できました。

講師は横浜市立大学のリウマチ膠原病センター准教授の先生です。

無症状性の痛風でも、関節に沈着した痛風の結晶をエコーで確認でき、また、それは特徴的な所見である、というものでした。

エコーは当院でも表在部位観察用のプローベがありますので、甲状腺、乳腺、皮膚皮下組織、表在血管といったさまざまなものを観察できるのですが、それを利用して、関節の内部や軟骨表面の痛風結節や結晶化現象を見つけよう、ということです。

高尿酸血症は、痛風の症状がなければすぐに治療をやめてしまう傾向があるようですが、一番怖いのは腎臓への沈着です。尿路結石症の原因にももちろんなりますが、腎臓全体に尿酸の結晶が充満してしまうと、腎不全に陥ります。

腎不全になってしまうと、現代では透析をすれば命には差しさわりはない代わりに、通常の社会生活ができなくなります。また、透析ですべての老廃物を除去できるわけではないので、皮膚が黒ずんだり、だるさがすっきりしなかったりということはどうしても避けられません。

そういうこともあり、日本では症状に応じてではありますが、基本的にはやはり正常値を維持しましょう、また、痛風や腎機能障害の既往経過がある場合には正常値の中でもより低め低めにコントロールしましょう、ということになっています。

アメリカでは医療費は任意保険で賄うため、統計学的な観点から高尿酸血症についてはよほど無症状であれば治療介入しないということになってしまっているようですが、日本はいまのところ世界に誇れる医療レベル+健康保険制度がありますので、健康長寿に貢献できるわけです。

高尿酸血症は、疫学的にメタボ症候群と有意に相関があり、随時採血にて尿酸値が高い場合、将来、糖尿病、高血圧、高脂血症を合併する確率が倍増することが分かっていることから、生活習慣を見直す良い指標としても役立ちます。すでにそれらの併存疾患を有している患者さんも決して少なくはなく、より一層生活習慣の改善を要します。

生活習慣を改善するのはなかなか性格を治すようなもので難しいものです。肥満の患者さんがしばしば口にするセリフ「何を食べたら痩せれるかなあ」という言葉がそれを物語っています。食べるから太るんですからね。食べ物は大なり小なりカロリーがありますからね。

ですので、生活習慣の是正を簡単にはできないからこそ、さまざまな治療薬がある、というわけです。

投稿者: 三本木クリニック

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