院長BLOG

2018.12.08更新

これが医者の仕事です~~と自虐的に思いながらする処置、の一つに、摘便、があります。

肛門の出口付近でなんとも詰まってしまった便を用手的に掻き出す治療のことです。

病棟の患者さんでは看護師さんがやってくれる処置でもあります。

老人の患者さんとか、癌の末期で便秘の、とかいう患者さんに比較的多い、フンづまりというやつですね。

 

今年は猛暑から急に涼しくなったこともあるのでしょうか、私自身もそうですが、水分摂取をする量がこの秋、相対的に少なくなっている印象があります。意識して水分補給をしないとかなり脱水になってしまい、結果、人によっては便秘になるようで、そういうケースが今年はすこし目立ちます。便秘については小児でもこの時期やや目立ちます。水分をこまめに摂りましょう。食物繊維も、ですね。

私の専門は消化器ですから、便秘についても当然相談に乗ります。便秘は腰痛などと同様に、ごくありふれた疾患で、わざわざ病院に行くほどでもない対応をしている人は相当数いると思います。市販薬でもいろいろありますからね。

先回のブログで、小児にも使いやすい、すなわち、副作用がプラセボと比べて全く変わりないほどに皆無な、新しい下剤がでたと紹介しましたが、それでなくてもラクツロースや酸化マグネシウムといった下剤は以前からあります。ので、新たに使いやすい下剤が追加されたということですが、

摘便の適応となるような、いわゆるフンづまりという状態になってしまうと、直腸瘤とでもいうべき病態に陥り、うまく直腸肛門の排泄運動が機能しなくなり、結局、硬い泥だんごのようになって、肛門に栓をしてしまうような状況となり、ニッチモサッチモ、ということになるのですね。

 

今年はこの、摘便処置を何度かやることがあり、なかなか大変でした。やられる方も大変ですけどね、、。

この処置をするときに思い出すのが、昔大学院時代にアルバイトで、とある診療所にて外来診療をしていたころのことです。

フンづまり(何度もこの言葉を書いて恐縮ですが、これが一番分かりやすい表現なので)は、男性の患者さんでは、そのうち前方の前立腺まで圧迫されて尿道も閉塞してしまい、大も小も出なくなってしまうことになる、解剖学的特徴があります。で、そういう患者さんがその外来中に来られたので、私は、じゃあ摘便して導尿するか、、、と言ったら、外来についていたそこの婦長さんは「ええー?先生、やめてくださいよ。浣腸処方して持って帰ってもらって、自分で自宅でやってもらえばいいじゃないの」などと、ご指導してきたのですね、、・。

まだ若造だった私なので、オバハン婦長はそういって意見してきたのだろうと思いますが、私はそれを聞いて、そこではこれまでどういう対応してきたのだろうかと、怒れてしまいました。長年の院長先生とそのオバンはそういう、自宅で浣腸、そして導尿は1日入れっぱなしのバルンカテーテル留置、明日外来再診、というのがそこでのルーチンパターンでやる方針を採用していたのでしょうか、、院長先生にいちいち確認することはしませんでしたが、そんなレベルのことをやっていたわけですね。

私なりの正解は、外来で、看護師や医師(当院では私がします)が摘便をする、そして、その後導尿をする、というものだと思います。直腸内に充満した硬い大きな便が排出されれば、尿道圧迫も解除されるので、導尿はその時だけで良いです。これはこの秋、当院で、便が詰まって尿閉にもなった、とある患者さんに施した処置でもありますが、自宅で浣腸処置を指示して、その前にバルンカテーテルを留置する?などというのは、ちょっと違うと思います。

バイト先でのその症例では、結局自宅で浣腸というのはリスクがあるし、せめて浣腸はこちらがやってあげて、その後診療所のトイレで排泄してもらい、それでも排尿なくばバルンカテ留置、とした記憶がありますが、それすらいやいや従った風の婦長さんだったのです。私が一番に何に怒ったか、というと、(もちろんバイト先でのことなので、内心怒っただけですが)、摘便処置を嫌がるそのオバハン婦長の看護師としての態度に対して、です。

ナイチンゲール精神に反する!と。

自分で「地獄の床掃除夫」と自虐的に苦笑いしながらも、自ら3Kに挑むというか臨むほうが、よほどシブイ(カッコイイ、の意)というのが私のスタンスです。患者のキャラや理解度不足やガマンのし過ぎなどに対して、腹立ちながらも、やはりその人にとって一番良いと思われる治療をするんです!ましてや看護師さんはオバンになっても天使(のはず)です。そういう精神が無くなったらその仕事をする資格などありはしない。私はそう思います。

 

投稿者: 三本木クリニック

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