院長BLOG

2018.12.03更新

昨日は昼から、ジオン注によるイボ痔の治療についての研究会である、東海ALTA治療セミナーに参加しました。

今回のテーマは有床施設、無床施設各々における、ALTA単独治療または切除と併用治療の実際、という内容で、合計4種類の立場からの講演をきく、というものです。

また、最後に特別講演として、ALTA療法を安全に施行するために、ということで、指導医の立場の先生から、改めて、基本に忠実に、という内容、再確認しましょう、という内容のレクチャーがありました。

私は当院で肛門疾患だけを扱っているわけではありませんが、比較的多くのALTA療法を行なっている施設というのはだいたい肛門専門病院またはクリニックのことが多いです。そして今回も思ったことは、(というのは毎回この手の研究会や学会に参加すると同じことを思うので)、肛門専門にやっている先生でもジオンのやり方もさまざまだし、切除のやりかたも千差万別だ、ということです。

当然、今回のテーマが示すとおり、入院でやるところと、日帰りでやるところとでスタンスが違います。麻酔方法も違いますし、ALTA単独でなんとかやるところと、再発を回避することを重視してなるべく結紮切除を基本とするところと、程度がさまざまなのです。私はどうかというと、画一的ではなく、患者さんのイボ痔の程度や種類によって、また、主訴によっても多少手法を変えて対応します。まあ、もっともこのスタンスはどの施設も同じようなことは言っているのですが、それでもやはりその施設なりドクターなりの方向性というのはありますね。

ですから、やはり基本があって、そのうえで、いろいろな状況に応じた応用、というのがあるのだ、という立ち返りが大事になるのだと思います。

専門医となると、誰しも一家言もつことになり、「わしのやりかたが一番だ」という気持ちになってくると思いますし、実際、学会ではそういう先生が多いのがこの肛門疾患分野の特徴です。こだわりとアクが強い。これはなぜかというと、私の解釈では、まず、イボ痔とか痔ろうとか、診療分野自体がやはり恥ずかしいという思いがある部位を扱うということがあり、アングラな立ち位置であるのがまだ現実である、ということで、各々の個別の医師が各々の判断でコツコツと診療や手術をしているということで、だんだんと独善的な方向に進みやすく、結果として誰しもが分かりやすい標準術式というのが確立しづらい。それが許されるのはなぜかというと、肛門という場所は、はっきりいって、かなりアバウトな術式であっても、修復力が強い場所なので、何とかなってしまう、という特徴があることもあります。さらに、例えば下手な手術をしてしまって、出来上がりが美容的にイマイチな格好になってしまっても、まあ人に見せる場所でないからいいか、という風に収まってしまうということもあります。たとえば今回の講演でも、施設によっては、抗生剤を一切使用しない、というポリシーの先生もありました。麻酔法もいろいろです。術式もまたいろいろです。

だからこそ、今回のような、基本の再確認、そして他施設の実際を見ることで、自分とこはどうか、脇道へ逸れてはいないかどうか、という顧みをする会が必要なのだと思います。「わしは専門家だからそんな会に行く必要はない」などという医者は、肛門科を標榜する施設の場合、あまりいないとは思いますが、ゼロではないと思います。肛門科の医師というのは、良い意味で、結構ねちっこく討論する、検討する、というタイプの性格の先生が多い印象があります。今回の会でも、当たり前のように時間をオーバーして討論がなされましたから。

いろいろ今回も勉強になりました。今後の診療にフィードバックしていきたいと思います。

 

余談ですが、、私、自分でも改めて思うに、、相当いろいろ研究会などに参加しているほうだと思います。それは開業医はそれこそ独善的になりやすいし情報を得にくいという立場だからということがあり、たえずアップデートしていないと不安になるからということもあります。また、患者さんに恥ずかしくないようにしておきたいというのもあります。決して勉強が好きということではないと思います。なぜなら教科書をじっくり読むタイプではないですから。医学については、教科書の情報というのはだいぶ古いのです。とくに今のような時代は。だから、研究会や講演会に参加したほうがよほど新しい知識だし、すっと頭に入るし、便利なのです。

それでも参加しないドクターのほうが圧倒的に多いのではないかと思います。実際私、勤務医だったころは、いまに比べると10分の1もこういう研究会に参加していなかったと思います。それは私だけでなくて他の先輩後輩も同様だったはずです。専門家というのはたしかに大病院に居て、そこで狭い領域のことだけをやっていればまあ良いわけで、勉強することもさほどじゃんじゃん発生しないんです。でもジェネラリストとなった今では、何でもかんでも一応は勉強しておかねばなりません。もちろん自分の全然専門外の内容は別ですけれど。内科、という標榜科だけでもえらいことです。内分泌、消化器、循環器、呼吸器、といったように、いろいろありますからね。

自分がこれだけいろいろ勉強会に参加しているけども、家族職員でも患者さんでもだーれも褒めてもくれませんし、何も細かいことまでは知らないでしょう。でもまあ自己満足ですね。それが一応その道のプロ、ということになるんじゃないかと、なんとなく思っています。

医者人生もそうそう長々とできるものじゃありません。患者さんに責任あるプロとしてきっちりとした仕事をできるのは、手技的なものをやらないとしてもマックスでせいぜい70歳までが限界でしょう。目も見えない、耳も聞こえない、頭の記憶も悪い、という風になるじゃないですか。もちろん超人的な先生方もおられますけれども私自身はそんな超人ではないのは分かっていますからね、そこは自分で引くべきだと思います。

ただ、他の先生方など見ていると、特に開業医となると、年齢を重ねるうちに、老齢になると、若いうちにはそんなことをいっていてもだんだんと、「わしにはこれしかないわ」などという気持ちになって、仕事に執着してしまう気持ちになるのかもしれません。生きがい度が上がるんでしょうか。それはそれで私がどうこういうことはありませんけれど。

 

投稿者: 三本木クリニック

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