院長BLOG

2018.11.19更新

先週末土曜は東名古屋医師会の集まりと同時に開催された、心房細動と心不全に関する講演会に参加してきました。この内容については以前にも藤田医大の同じ先生の講演を聴いたことがあるので改めて復習になりました。

その後ツムラの漢方セミナーに参加。

島根医大からはるばるお越しになった精神科教授先生による講演で、要するに睡眠障害と漢方の役割についての内容です。

昨今、ほとんどの眠剤がベンゾジアゼピン系に相当するなかでこれらの依存性が危険視され非常に悪者扱いされています。今後はどんどん淘汰されていくことになるでしょう、そういう状況下で、今後どういう戦略で睡眠障害に対応するか、ということです。漢方はいろいろ睡眠に効果があるものがありますが、その中でも今回の押しは酸棗仁湯というものです。私も以前どなたかに処方したことがありますが、最近は忘れていた処方です。

睡眠剤というものは、睡眠障害のある患者さんにとってはすぐに効く即効性を求められることが多いため、漢方はそういう意味では少し我慢が必要な薬剤です。ですので、そこをしっかり乗り越えることが、根治的な意味も含めてより良い価値があるのだと私は思っています。

誰しも依存症になりたくありませんのでね。

この酸棗仁湯では、大体8週間、つまり2か月程度であからさまに他の一般的なベンゾジアゼピン系のものよりも満足度が高い、そして副作用が極端に少ないというデータを示されました。眠剤として効果ある漢方としては抑肝散などもありますが、今回この酸棗仁湯では、心身が弱っているのに眠れないという人、つまり老人に多いですね、そういうケース、また、子供の不眠、そこからの不登校ひきこもりにも有効とされています。

注意すべきは、もともと西洋薬の眠剤を使用していた際に、いきなり漢方にスイッチすることは避けるべきという点です。徐々に併用しつつ切り替えるという手法をとるべきであって、さもないと、反跳性不眠(つまりベンゾジアゼピン系の離脱症状です)が生じるのです。

この研究会ではまた、統合失調症に対する漢方の可能性についても非常に興味深い研究が報告されました。まず、実際的にデータとして明確化されたのは、統合失調症、多動症、落ち着きがない、攻撃性などの陽性症状に対して、抑肝散が有用であるということです。抑肝散は脳神経細胞のミクログリアという部分に働きかけてこれの過剰発現を減らし正常化する作用があるそうです。これは脳神経の炎症の鎮静化ともいえるようです。。ちなみに、、脳への移行性があるミノマイシンという抗生物質も実はこのミクログリアを正常化して統合失調症に有用というデータも示され驚きました。

さて、統合失調症もそうですが、陰性症状つまりひきこもりやアパシー(無感動無関心無行動)に対しては、逆に、人参養栄湯のような、高麗人参含有のものが良いようです。ちなみにこれにはオンジという、認知機能改善作用のある生薬も含まれています。

 

 

投稿者: 三本木クリニック

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