院長BLOG

2018.06.18更新

先週は木曜から土曜まで三連夜の学術講演会に参加したことになりました。

今回は3回とも非常に有意義な内容で、新しい知見がたくさん得られて勉強になりました。

3連夜最後の会は、岐阜市民病院の内科部長(元岐阜大学臨床教授)の西垣先生による、高脂血症に関する講演でした。

主として循環器、急性冠症候群とEPA/AA比との関連を、大変分かりやすく解説していただきました。

統計のインチキマジックに騙されないように、という内容も含まれており、論文の評価判断するにも注意が必要であることも教えてもらいました。

今回の一番のポイントはEPAとAAとの比率が大変動脈硬化の改善や血管の安定性に大事であり、また、そのためにどの薬剤が最適か、ということでした。

EPAはエイコサペンタエン酸、AAはアラキドン酸のことで、前者は善玉、後者が悪玉の脂肪酸と位置付けられます。

この比率を改善することで、心筋梗塞などの動脈疾患を予防するわけですが、その治療として、スタチン系の脂質改善剤と、高純度EPAの併用が最上である、というのが結論でした。

中性脂肪をどう下げるか、ですが、スタチンではあまり効果がないのは良く知られていますので、いわゆるフィブラート系にするか、またはEPAにするか、ということになります。我々臨床の感覚でいうと、フィブラート系のほうが手っ取り早く下がるのでそれを、ということだったのですが、今回の講演では、実はそれでは善玉と悪玉の比率を改善する効果は薄い、ということが解説され、それよりはEPAのほうが、じっくり良質に改善させる、ということです。

また、市販のサプリやEPAとDHAがセットになった製剤については、あまり効果がない(というよりほとんど効果がない)とも、、。あくまでも高純度EPAだと。しかも、ジェネリックはこの薬剤の場合、品質にやや難があるということで、やはり先発品が良い、というお話でした。

あまりにもうまい話なので、メーカーと何かしらあるかなと思いきや、この偉い先生が本当に偉いなあと思ったことは、ずっと以前にガイドラインの編さんのためにこのことをテーマに350編もの論文を精読し、それによりそれまでのご自身の考えを改めた、という点です。しっかりとエビデンスを、しかも論文やデータのウソや誇張に騙されないようにしながら追求した、ということです。さらには、ご自身も高脂血症で、その勉強をするまではフィブラート系を服用していたのを、この勉強のあと、EPAとAAの比を採血で確認したところ良くない数値だったため、さっそくEPAに切り替えた結果、比率が顕著に改善したということでした。

私もそれに倣おう、と思いました。

要するに、ただ単に中性脂肪を下げれば良いのではなく、その結果として血管の安定性を担保する善玉脂肪酸がちゃんと上昇することにより、より一層の心筋梗塞予防効果がある、ということなのです。今後当院でも患者さんに説明していきたいと思います。

 

ちなみにDHAについては、胎児や小児期には必要なものの、成人にはあまり意味がない物質である、ということも、過去に米国で散々やられた臨床試験の結果により解説されました。成人が飲むサプリとしては意味がない、ということです。認知症にも効果がない。

 

それにしても、頑張って週末三連続で講演会に参加した甲斐がありました。なかなか感動的な勉強になりました。

投稿者: 三本木クリニック

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