院長BLOG

2018.06.10更新

昨夜は名古屋で私の同門の先輩で、北名古屋でクリニックをされている、完山先生と懇談会を設けました。

完山先生は痔の手術や鼠径ヘルニアの日帰り手術をやられており、私のクリニックと似たところがあります。

残念ながら痔の手術は今年から殆ど行わないようになっているそうですが、その代わりに鼠径ヘルニアの手術が日帰り手術の主流になっているそうです。

そして今週なんと、累計1000例もの手術件数を達成したということで、大変驚きました。

完山先生の術式と私の術式は使用するメッシュの種類が異なるなど、多少なりともやり方が違いますが、鼡径ヘルニア根治術を日帰りでやるという点では同じですね。

当院では痔の手術も鼡径ヘルニアの手術も同じように受け入れており、どうやりくりしても週に3コマしか手術枠がもてないので、累計1000件まで到達するのは難しいだろうと思っていますが、一例一例、縮小手術に努めるということで独自性を確立しているつもりです。

それにしてもすごい数です。1000件もやっているのに、「まだまだ鼡径ヘルニアの手術は奥が深い」という探究心には恐れ入ります。

痔の手術や鼡径ヘルニアの手術は、大病院ではあまり扱われることがなく、「あんなものは手術とは言わない」などと豪語する偉い先生もおられますが、私はそうは思いません。どちらの手術も症例症例ごとにいろいろで、痔についていえばいかに日帰り手術で、術後の苦痛を少なく、傷痕を分からないように上手に治療するか、ということでアーティスティックな面がありますし、鼡径ヘルニアの手術では、これもいかに日帰り手術で麻酔などもストレスなく副作用もなくやって、なおかつ当院の場合はいかに必要最小限の内部創と最小限のメッシュで根治術をなすか、それにより術後の苦痛をいかに少なくするか、ということで、QOLを重視した根治術を行おうとすると、決して簡単ではない、というふうに思います。

昨夜は予定2時間半のつもりでしたが結局3時間半ほどの懇談となり、手術の話以外にも本当にたくさんの議題テーマについて意見交換をしました。

内科を主体として扱い、外科的な治療もできるということ、逆に言うと、外科ができる内科医、という位置づけは、ジェネラルな地域医療を担うのに最も普遍的な、私の中では医者の原点です。

高度に専門的な医療を要する場合は大学病院などへ依頼する症例疾患もありますが、そうでない疾患や治療については我々町医者が頑張らねばなりません。

愛知医科大学病院では、小児科外来から連絡があり、午前から午後もずっと外来診療をしていて、午前の受付時間締切を過ぎてから受付をされる患者さんが少なからずいるので、結局医師が昼食も摂れないという事態になっているらしく、よほどの緊急性がないならば11時以後に受付をされた患者さんについては1時からの診療となる、ということでしたが、それはそれで結局もともと予約を1時からとっていた患者さんが後回しになるということにもなるので、根本はマンパワー不足に他なりません。町医者がもっと頑張らなければならないのです。

また、同じく愛知医大では、整形外科の教授先生の外来は月曜と金曜で、午前も午後もやっているのに、午後は夜11時にまで外来診療がずれこんでしまっているという話を、実際にかかっている患者さんから聞きました。しかもスポーツ整形ということなのでしょう、そんな夜遅くに、学生服を着た患者さんが殆どだったというのです。

どの世界でも、誰か一人、その道の第一人者とかになると一極集中現象が起こってしまうのでしょうが、これではその教授先生は疲労で壊れてしまわないかと、他人事ながら心配してしまいます。小児科同様、町医者が頑張らなければなりません、、、と思うのですが、町の整形外科はどこも患者さんであふれかえっています。となると、現状打破するのは難しいのか、、、。

将来的には日本も人口が減り、医者過剰の状態になるのでしょうが、少なくとも今は少子高齢化で、まず高齢者は病院受診する機会が増えますから、相対的医師不足はリアルな事実です。少子についてはどうかというと、これも親御さんが心配過剰気味となり、大したことでなくても受診費無料ということもあり受診するので、人気のある小児科などは超満員という状況です。知り合いの開業医の先生(小児科)は、忙し過ぎて大病を患ってしまったそうです。

ことほど左様に、現時点では相対的医師不足の状態ですので、我々中小病院医院がジェネラルな疾患の治療は頑張って受けてあげて、専門医は専門的な業務に集中できるようにうまく分業しなければならないと思います。

ただ、、患者さんはブランド志向が強いので、どうしても専門医を最初から求めてしまう現実はありますね。ネット情報や家庭の医学とかで自分で勝手に診断して、いきなりその病気を取り扱う専門病院に受診するという、専門医や専門病院にとっては迷惑なことも多数あることでしょう。大動脈解離で亡くなる有名人、乳がんで亡くなる有名人、膵がんで亡くなる有名人がでたらその時期しばらくの間は、背中が痛いとすぐに膵臓がんか、大動脈か、などと不安がって、いきなり大学病院を受診したがるようなことです。

開業医や市民病院がもっと信頼されるようになれば宜しいのですけどね。

大学病院や日赤などのブランド病院であっても、実際には外来診療を若手医師が担っていることは実はふつうにあることで、もちろん部長クラスの医師が外来日のときもあればそうでもない曜日もあるのです。大学病院で大腸ファイバーをやってもらうことが必ずしも上手に楽に受けれるわけでもなくて、大学病院ですから、研修医クラスの若手が実施することも普通にあるのです。だからダメだということではないですが、何につけても「ブランド」を求めて大学病院へ行くことが常に最良、ということではない、ということです。

組織が大きすぎるようになると、分業しすぎてしまい、大学病院でもしばしばある検査結果の見落としや左右取り違え手術といった、重大な問題が起こりやすくなる危険性もはらんでいます。

 

投稿者: 三本木クリニック

  • まずはお気軽に
    当院へご相談ください
    内科/小児科/肛門科/外科/形成外科/皮膚科/美容
  • common_tel.png